岡田純良帝國小倉日記

<< 転がり出て来た純良の形見。 | main | またまた汁無し坦々麺。 >>
戦後民主主義少年の後悔(下)。
7月8日
戦後民主主義少年の後悔(下)。
 ブチ切れた吉本隆明のことは、当時は言い過ぎだろうと感じたものの、今振り返ると、ニューアカ軍団では、東大から追われた人もあり、京大にいられなくなった人もあった。
 少なくとも人文科学系では専門の分野で業績を残した人を俺は知らない。敗戦の悲劇はこういう知的分野にこそ顕著だ。
 かつて東大三羽烏とか呼ばれた人でさえも、古希を超え、それでも、ようやく敗戦前の日本に正対する気になったのか知らん。それはそれで遅きに失したが、悪いことではない。

田中康夫と浅田彰.jpg

 それにつけてもこれまでの態度は何だ。
 「日中戦争のさなかに大衆の熱狂的な支持を集めた『宮本武蔵』などは、非民主主義的で反平和主義的な小説でしかない」
 読む前から断定している。この自信は何に由来するのだろう。しかも勧める人は自分の女房だ。余計なことだが、夫婦感のコミュニケーション不全を感じるぜ。オホホホホホ。
 それが一読して態度が豹変する。
 「良い文学は時代時代を支配する歴史観を超越した面白さを持っている」
 こういう朝令暮改センセイに俺は教えを乞いたくない。ウハハハハハハ。
 友達としても面白いとは思えないわな。しかし、それほど思想信条の刻印が深くとも、腐っても東大で、経済学部長を務められるわけか。ダイジョウブ?
 1980年前後は、あれほど繰り返し放映された向田邦子(1929-80年)の戦前の東京物語は目に入らなかったのか知らん。その大脳の活動領域では、敗戦前の日本社会に育った親は存在しなかったのだろうか。ヌーン。想像力の不在は決定的なものがある。
 例え文学とは直接結ばれない経済学者としても、
 「日中戦争のさなかに大衆の熱狂的な支持を集めた『宮本武蔵』などは、非民主主義的で反平和主義的な小説でしかない」
 と想い込んで読まないのなら、そんな姿勢は学者としてもう失格ではないか。
 因みに、我が家のタブーは「喰わず嫌い」である。「読まず嫌い」ならば、アカデミズムの世界では最も忌避すべき態度であることは俺にも分かるわなぁ。

       「網野善彦を継ぐ」表紙。.jpg

 ニューアカデミズムの旗手と言われたある学者は網野善彦(1928-2004年)という叔父がいながら生前には敬遠していた節がある。そして、同じ時期にオウム真理教に熱を上げた。言っていることも、行動も、俺には何だかよく分からないことばかりだ。
 高田馬場駅頭のホームで流れるメロディーは「鉄腕アトム」。高田馬場の「鉄腕アトム」を聞くと、当時漫画に熱中した多くの人が日本の原子力エンジニアの第1世代として原子力事業を支えたことを想う。そしてさらにサディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにお願い」で高中正義(1953年-)が弾いたあのメロディーが脳内に鳴り響くのだ。
 古希を過ぎてようやく岩○○人センセイはこれまでの自分の態度を反省したのだった。文化大革命で自分の取った態度を自己否定した中国人のようなものだから天晴れと言えば言える。15億人の誰もできないことを岩○○人はやったわけだから。あら、失礼かしら。
 「日本の歴史を1945年8月で切断し、それ以前の歴史を、第2次大戦という悪夢に日本を導いた悪い歴史と、戦後の民主主義や平和主義につながる良い歴史とに腑分けする、その歴史観」
 コイツが悪かったわねえ。目を曇らせ、知的活動の最も透明でなければならない感性をベッタリと墨塗りにしちまった。戦後民主主義少年の後悔先に立たず、さ。
 それでも、近年、日本には不思議な風がそよいでいる。折口信夫(1887-1953年)の復活の機運は明らかであり、折口の弟子の芳賀日出男(1921年-)の写真集が次々に刊行されている。年明けから3月までミッドタウンの「写真歴史博物館」では芳賀の写真展まで開かれていた。六本木ヒルズのTSUTAYAでも折口の「死者の書」と共に写真集は平積みになっていた。
 確実に、じわじわと地下水脈が変わっている予感がある。

追記
これから起床して洗顔、沐浴。れつかとどべいやラーズ。

追記
どろろん帰りじゃけえ熱暑でドラいつ。
| 10随想 | 06:03 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | 06:03 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://punkhermit.jugem.cc/trackback/6865
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930 
<< November 2018 >>
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE