岡田純良帝國小倉日記

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衣食住足りて――どこへ行く獄中(上)。
6月11日
衣食住足りて――どこへ行く獄中(上)。
 先日の某国某所では半日以上、某さんと一緒に膝を突き合わせて色々語り合った。彼のような政府と着かず離れず、しかし緩急自在に距離感を操る人物が某から会いに来ることそのものが異例のことなんだろう。
 当地の○○が驚いて会食を設定した。豪華な場所は止めて△△時代に通った懐かしい店の□□分店らしい「○○○○」を指定した。
 当初はサシで□□の下町の飲み屋に行っても良かったのだが、まぁ、そこは人間が合い寄れば直ぐ政治になる。已む無しである。
 この折、紙袋一杯に資料を持参した。1920〜30年代の某所と某所の古地図を渡した時の某さんのリアクションが面白かった。“小倉の料理番長”が国会図書館まで足を運んで、小倉の図書館で発見してコピーし、フエキ糊で貼り合わせて作った△△や□□の古地図。
 確か2006年頃に作成した大判の古地図が出国直前に転がり出て来た。租界が出ている。○○門が出ている。○○大路が出ている。△△も□□も、今ではすっかり変わり果てた。
 「これは」
 某さんは声を詰まらせた。
 「この地図を片手に歩いて李香蘭(山口淑子)の家や小澤征爾の家も探し当てましたよ」
 「そうですか……」
 昔は、何時も持って回った尊大な言い回しをする人だったのに。

20180323 12年ぶりの上海飯は弁当.jpg
 12年ぶりに行った都市で喰わされた最初のシーメ。ナンチャッテ・ハコベンだった。
 20世紀の末に世界のどの地域でも評価を落としたのが獄中飯だったろう。引き換え、
 和食は圧倒的な評価で受け容れられ瞬く間に伝播した。何百年も華僑が営々と築き
 上げてきたモノが僅か四半世紀で瓦解したのはメインランドから流出した者の喰い、
 調理した料理の不味さゆえだ。誰も言わないが、これは、人類史に特筆すべき共産
 主義の及ぼした悪の一つだろう。ここに記しておく。この白米の盛り方。どこにも
 美感も気遣いも、ホスピタリティーさえも無い訳よ。味が分かろうというものさ。

 彼の地では手に入らない古地図。そんな古地図に声を詰まらせるとは、某さんも孤独に奮闘して長くなり過ぎたのか。それが、彼の国の伝統的な知識人の味のあるところだ。
 「日本租界のそばに魯迅の家があってね」
 「魯迅!」
 「時代は重なってはいないんだけど」
 「魯迅!」
 「今は、魯迅の家は記念館になってますよね」
 「そう。だが、あの人はね、あの人の描いた小説の言葉がキツイですね」
 「庶民の会話では、日本人が訳せない汚い言葉が使われているんでしょう」
 「革命家にも革命にも厳しかったよ」
 「だってヤクザや馬賊と変わらないと見限っていたでしょう」
 「そうでした」
 「革命派に転じた郭抹若とは対立してはいなかったけど」
 「考え方は違いますね」
 「双方、周囲のシンパ同士は反目し合っていたんでしょ」
 「私たちはそういう話までは知らないですね」
 「魯迅は革命には反対だったと聞いてます」
 「それは分かるのですが」
 「武田泰淳がそう証言している」
 「『阿Q』を含めて尊敬されていても、文学史の上で正当な評価はされていない」
 手に持って歩いた△△や□□の古地図には、細かい字で書き込みを入れていたのだが、その書き込み入りのものはさすがに憚られて持参せず、慌しく処分して出てきた。
 「郭抹若も魯迅も日本が好きだった。私も」
 某さんが口を開いた。そういうと、某さんが郭抹若や魯迅の名を口にすると、その先は、もう酒になる。だからその先はこちらから聞かないことにして黙った。


追記
台風の中を出発予定。ヌーン、どうしてこうなるの?子供の頃は晴れ男で、ジェンッジェン雨男じゃなかったのに。しかし新幹線はワイコフですなぁ。またお騒がせ男が岡崎から登場っすか。岡崎、お騒がせ男輩出じゃのう。のう?
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