岡田純良帝國小倉日記

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気になる本――街務省は復権するか(下)。
3月14日
気になる本――街務省は復権するか(下)。
 「変節と愛国 外交官・牛場信彦の生涯」[浅海保著, 文春新書]
 今日は祖父の祥月命日である。47年前の18時47分に亡くなった。忘れられないのは、祖父の死が初めての身近な人間の死であったこともある。祖父は敗戦時には工廠を経営する佐官だったが、戦後は失職して、織機会社、軍需会社、精密機械用部品メーカー、時計メーカーと、数年毎に会社を渡り歩いてカツカツ喰ってようやく東京に漂着した。
 敗戦後には3年間も浪人したという牛場信彦の余裕が羨ましくなる。
 東日本大震災の起きる前には、世界中が原子力ルネッサンスともてはやした時代がある。今は誰も彼も忘れている話だが、ObamaさえClean Energyとして後押しをしたのだ。この時、日本側は民主党政権で、政府は原子力輸出のために東南アジア各国を歴訪さえ厭わなかった。
 当時は仙谷由人が国家戦略担当大臣で古川元久が戦略室長という間柄。この2人が中心に進めた話だが、当然後ろで絵を描いていたのは霞ヶ関側だ。完璧な軽賛官僚主導型の筋書きでもあった。


「Hull note」.jpg

 当時の民主党がどれほど理解をしていたか。今の民進党の綱領を鑑みると怪しいのだが、自民党で安倍政権がこれを引き継いだのは国益に直結するものだからだ。もっというと、中国でフランスやドイツの自動車産業に煮え湯を飲まされ続けていたこともある。
 その時点で、アフリカや南アメリカ、アジアの新興国を主戦場に、ドイツやフランスの国策会社が政府と一体になって売り込むパッケージ体制に対抗しようとするのは当然の雲行きでもあった。
 この時、街務省は殆ど出てくることはなかったと聞いている。こんな場面で、街務省が出て来なくなり、戦わなくなった理由は意外にも分かり易い。
 海外で、ある国家的なプロジェクトに在外公館が肩入れをしていて、もし政変が起きた場合、旧政府を後押ししていたとして在外公館は攻撃される。ひいては大使、さらには日本が外されるような街耕リスクは国家的に大きいと判断した――と、これまた幾人の人からも聞いたことがある。それはそれで、理解はできる――だが、そんなものなの?
 彼らの間には様々な議論がある。結果は軽賛省に対抗するため、街務省も遅まきながらインフラ輸出担当組織を立ち上げた。しかし最早軽罪街耕面で街務省が復権することは難しい。
 なお、Hamilton Fishには、「ルーズベルトの開戦責任」[Hamilton Fish著, 渡辺惣樹訳, 草思社]というこれまた興味深い著書もある。1941年11月末、Rooseveltは、日本軍のインドシナ、中国( 満洲を含む)からの即時全面撤退を要求した。アメリカ政府が日本に突きつけた、通称「Hull Note」は、当時の日本が絶対に呑めない最後通牒だとRooseveltは知っていた。そしてこの最後通牒を突きつけたことを、Rooseveltはアメリカの上下院議員、国民には伏せていた。


      「ルーズベルトの開戦責任」表紙.jpg

 本来、外務官僚はこのような良識ある相手国の政治家の言葉を丹念に拾い、この事案に即して言えば、アメリカ国内に事実を知らしめるロビイングを続けていくべきなのだ。相手国のプロジェクトにさえ入り込もうとしない街務省には、最早、昔日の権勢は無い。とはいえ、政治家は簡単に事実を隠して歴史をねじ曲げてしまうことができるのだから、後世の人間はそのまやかしに対抗していかなければならない。
 理屈を言えば街務省が各地に張り巡らせたインテリジェンス・ネットワークは人体なら血管のようなものだ。軽罪参業省と深いところで共有されれば、本来もう一段の高みに登ることができるはず。
 しかし、そうはならないのは、省庁間での人材の交流が殆ど無いからだ。省庁の利益の代弁者に終わってしまう。街務省にとっては、世界各国の現地からもたらされる情報は虎の子で、大使館内でも省庁には見えない壁がある。人材の流動性を引き上げれば解決できる部分が大きい。今後の課題になるだろう。
 真の信頼関係は事実の積み上げの上にしか成立しない。街務諸兄姐の一層の奮励努力を大いに期待したい。(政治史学者・京都大教授・奈良岡聡智評、讀賣新聞)

追記
世間には色々なことがあって、簡単に割り切れない問題がそこいら中にある。冤罪や誣告のようなことは、今現在でもどんな民主主義社会でも起きているし、そういう世間の呼吸は、面白くもあり、バカバカしくもあるわけだ、
ロンドン二重スパイ殺人事件が英露間に緊張を高めているけれど、そろそろ北の国の親方も交代の時期が迫っているのかも知れないぜ。だからといって簡単に変わるもんでもないわけだ。
帰国して小児病風が吹き荒れていることに唖然。国会の空転。国費の濫費。空理空論の応酬。三文役者の三文芝居。これからお国の進むべき方向はどちらになるのか、この国の言論に触れているだけでは、殆ど道筋は見えてこない。
財務省かバカだから政局になりそう。経産省連中は湯気を立てて怒っている。まぁ、アカン時はアカンわ。忖度解散なんて起きたら前代未聞だな。シュワクのホリデー、サマー・ビーチ、シーサイドテラスに腰掛けても、頭の上では爆撃機が400機、雨あられと何かが降ってくるかも知れないのに。そこのアンタも、あっちのアンタも、誰かが助けてくれると思っている。こんな国に税金を払うのは精神的にツライことだ。しかし、「それを言っちゃあオシマイよ」という声も海の底から聞こえてくる。ここは黙ってサッポロビール、って。
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