岡田純良帝國小倉日記

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気になる本(2)――大猿もそろそろ疲労困憊。
1月14日
気になる本(2)――大猿もそろそろ疲労困憊。
「ブラック・フラッグス(The Rise of ISIS) 上・下」[Joby Warrick著・伊藤真訳, 白水社]
 本書はイスラム国(IS)成立に重要な役割を果たしたヨルダン人、Zarqāwī(1966-2006年)の物語だ。公安調査庁の公式ページから情報を拾ってみよう。
 「アブ・ムサブ・アル・ザルカウィ(Abu Musab al-Zarqawi)
本名:アフマド・ファディル・ナザル・アル・ハレイレ(Ahmad Fadil Nazal al-Khalayleh)
 「イラクのアルカイダ」(AQI)の設立者で元最高指導者。ヨルダン生まれ。2003年3月に米軍主導の「イラクの自由作戦」が開始された後、イラクへ入国し、2004年10月に「アルカイダ」のオサマ・ビン・ラディンに対して忠誠を誓い、イラク国内外で数々のテロに関与した。2006年6月、米軍の空爆で死亡した」
 ノンフィクションライターの稲泉連氏の讀賣書評でザルカゥイは次のように紹介される。
 「1980年代、『ごろつきのアフマド』と呼ばれる不良少年に過ぎなかったザルカウィは、いかにして『イスラム国』の前身となる組織をイラクで作り上げたのか。フセイン以後の空白に乗じて紛争の種を撒まき、アルカイダの幹部からさえ眉をひそめられる過激主義者たちが台頭した過程がまずはじっくりと描かれる」

       「ブラック・フラッグス(上)」表紙。.jpg

 我々日本人には、後藤健二氏、湯川遥菜氏が次々に殺害された事件の背景がどのようなものであったのか、本書を通じて理解する手立てにもなる。
 東京新聞では、現代イスラム研究センター理事の宮田律氏が次のように喝破している。
 「斬首事件で日本社会をも震撼させた『イスラム国(IS)』の活動やイデオロギーの源流はイラク戦争開始後のイラクにあることを解明する」
 「米国はサダム・フセインとイスラム過激派のつながりやイラクの大量破壊兵器の保有を捏造して喧伝した。またフセイン政権を打倒するとフセイン元大統領が出たスンニ派を政府や軍部から排除し、それがスンニ派部族とISなど過激派との同盟関係をつくる」

発狂して去ってゆくサスケ。.jpg

 「イラク戦争は磁石のように外国の戦闘員をイラクに引きつけ、イラクの治安が悪化していく過程が本書では刻々と紹介される。米軍はイラクの民間人の犠牲を誤って出しても、その補償額は『警察犬一頭を買うぐらい』と異様に安く、現地社会への敬意がない」
 著者は有名なWashington Postの記者で、中東を主担当とする政治・外交専門の記者だ。CIAや各国の諜報機関へ取材を進め、本作で2度目のピュリッツアー賞をモノにした。
 ノンフィクション分野でいい仕事ができる日本人が出てこないかと願う。猪突猛進せず、徹底的に戦地の取材教育を受け、窮地を自力で切り抜ける力を持った人。日本人は次のステップに移行すべき。志ある者の出現に期待大。人物次第ではサスケと小猿へ全てのネットワークを引き継ぐぜ。(『この一冊』日本エネルギー経済研究所理事・保阪修司評、日本経済新聞 / 讀賣新聞 /東京新聞他)


追記
本書を取り上げた稲泉さんは今年も讀賣で書評担当を続けるそうだ。書評を見続ける楽しみは、書店でも、自分からは決して立たないコーナーに置かれているような本も中身をチラ見できることにもある。
近頃気になっている白土三平の忍者武芸帖、先日、街で見掛けたけと、高額で手が出なかった。
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