岡田純良帝國小倉日記

<< 幻の味――広島「よりみち」の味。 | main | 汽車旅の酒――酒の湯船に浸かりたい。 >>
絶対矛盾的自己同一。
小倉日記’18(第一弾)
1月1日
絶対矛盾的自己同一。
 昨年は、ソルボンヌ出身の銀髪セニョールの「女のおめこ舐めるのすきですか」の小噺で終わってしまった。今年こそ、年始は慶賀すべき下ネタで始めたい。オホホホホホホホ。
 先日、人間ドックで引っ掛かった。何時も引っ掛かる部位の数値は殆ど問題なかった。
 50歳前後から、血圧は東欧諸国との往来で上昇し、数年の間、ずっと朝晩の血圧記録は欠かさなかった。γ-GPSも尿酸値も常にレッド・ゾーン。だから医師の問診で1ヵ月後に血液の再検査というのがお定まりのコースだった。
 ところが、今回は血圧もγ-GPSも尿酸値も健常者の安全ゾーンで引っ掛からず、たった一つ、主要マーカーで真っ赤っ赤の数値が出た。それで近所の泌尿器科に駆け込んだわけ。
 「ああ、ガンの疑いがありますね」
 開口一番、医者が脅す。そんなことは分かりきっているから受診したわけだが、この医者は採尿だけ。1週間後に採血に来いと鷹揚に言う。1週間後に採血に行くと、
 「あなたのお小水はきれいでした」
 血液の数値も問題は無さそうだと言う。診察台に乗せられ、臍下をまさぐるエコーに。前立腺がやや肥大化しているとは言われたが、それだけ。
 「1ヵ月後に採血しましょう」
 (この医師で大丈夫かよ、俺)
 西田幾多郎センセイではないがココロが引き千切れそう。絶対矛盾的自己同一である。

 触診(1).jpg

 こういう数値が出ると、通常、直腸を触診して前立腺の状態を見るのが基本の基本だ。刑事が現場を徹底的に調べ、バンドマンなら朝の8時からスタジオに入るように、それが医師ならお触りである。
 だが、直腸へ手を突っ込まれるのはイヤだ。アメリカで暮らしていた時代も、かの地の定番、有名な直腸診断だけは逃げてきた。90年代の後半のアメリカは、HIV陽性の医師が直腸検査をして感染したとか、諸子百家諸説紛々、恐ろしい暗黒時代だった。
 ということで、これまで53年の間、直腸の童貞を守ってきたというのに、ここで医者にヤラレなければ俺の疑念は深まるばかり。事実、就寝中に3度も4度も起きて小便をすることがある。
 それで思い切って新宿の某所に。うらぶれた裏通りの診療所は、金曜の夕方というのに患者がいない。泌尿器科なら性病科とは違うから堂々と来ればいいと思う。昭和の昔なら踏み切りの向こう側は新宿高校前には温泉マークが乱立していたが、今では都庁をはじめ高層の巨大なビル群が地上に覆いかぶさるように乱立している態。出自がそれだからか、どこか街の風が隠微で明るさが無い。
 「岡田さん」
 青線街の町医者みたいなオジサンは同年輩だ。アンケートにも真摯に答え、問診も終了。
 「ドックの数日前に発熱したっていうけど」
 「前立腺の辺りの違和感だけです」
 「本当ですか?」
 「痛みはありませんでした」
 「へえ。後で血液検査はしますけど、まずエコーやってみよう」
 診察台に乗せられて、同じ辺りをまさぐられる。オジサンの腕の力が強い。グイグイとやるもんだから下腹に痛みを感じるほどだ。
 「ちょっと大きくなってるけどねえ。うん、やりますかね」
 (来たな)
 オジサン、青い診察用のゴム手袋をパチパチ言わせて嵌めながら猫なで声になった。
 「おズボン下まで下げましょうね」
 「はい」
 「おひざをかかえて上に上げて下さい」
 「こうですか」
 「そうそう、もっと上まで抱えて下さい」
 「こうですね」
 「はいはい、それでおひざをグッと開いて下さい」
 「こうですね」
 「いいねえ。こうやらないと分からないんだよ、ちょっとごめんなさいよ」
 (η φυσιποιει!!!)
 「岡田さん、ここだよ」
 「センセイ、痛いよ」
 「こら、典型的な炎症だな」
 「センセイ、小便出そうだ!」
 「がまん、がまん」
 「いててててて!!」
 「岡田さん、ダメダメ、ちからを抜きますよ〜」
 「ちからを抜いたら小便がもれちまうよ」
 「もう少しね」
 (η φυσιποιει!!!)
 心中では、鬼!、七年殺し!、直腸感覚!と叫んでいるのだが、声が出ない。
 「これ、いたいでしょ」
 「いたいです、いたいよ!、おしたらいたいって!」
 「岡田さん、発熱したときもいたかったはずですよ!」
 「いたくなかった〜っ!」
 「いたかったでしょ〜っ!」
 「いたいよ!、押したらいたいって!」
 チキショー、カルーセル麻紀!、じゅわいよ・くちゅーるマキ!
 診察台の数分で数日分の体力を使ったような気がするほど疲れた。
 服を着て、再び問診。
 「岡田さん、いたかったはずですよ」
 「いたくないんですよ、違和感ていどで」
 「お熱のあったときはとび上がるくらいいたかったはずですよ」
 「だけど違和感だけでねえ」
 「ま、いいです、来週、これますね」
 採血の後、抗生物質入りのブドウ糖の点滴を受けた。

     触診(2).jpg

 「お疲れだったんじゃありませんか」
 還暦過ぎのベテラン看護婦が採血しながら俺に話し掛けてきた。
 「疲れると出るんですよ」
 「そうだねえ、疲れていたのかもしれないねえ」
 4ヶ月に2度の引越し。1度目は市内だが、広いところから狭いところへの引越しだった。2度目は海外引越しで、これまた殆ど重複するキッチン用品や食材などが大半だから、送り出しも大変だが、帰国後の10月から11月の2ヶ月は休み無く荷物の整理にかかっていた。
 「クセになりますから」
 気を付けて下さいね、わけあり顔で看護婦が言って笑った。
 冗談じゃねえやい、(η φυσιποιει!!!)かよ。絶対矛盾的自己同一だって。チキショー、ホント、アジャパーでごじゃりますがな。
 その後、数日の間、直腸近辺に違和感。触診された前立腺に違和感ということだろう。違和感が引くまでの間、何とも言えない屈辱的な感覚が残った。しかし、コレもまた酒席ネタではあるんだわねえ。
 「岡田さん、発熱したときもいたかったはずですよ!」
 「いたくなかった〜っ!」
 「いたかったでしょ〜っ!」
 「いたいよ!、押したらいたいって!」
 押されたらそりゃ誰だって痛いわ。絶対矛盾的自己同一なんであるんであるんである(by 大隈重信)。


追記
12月のご愛顧。=帝國:小倉:米國=19,870(20,915←18,598←18,975←19,019←18,707←17,713←22,091←18,967←19,498←17,503←18,980←27,773←15,087←15,435←16,504←17,148←16,538←18,202←18,597←23,362←19,300):3,253(3,292←3,784←3,544←4,822←2,970←3,098←3,905←3,187←3,095←3,310←3,638←5,839←3,696←3,122←4,360←3,409←3,992←13,022←7,903←4,917←4,425):964(1,089←869←875←983←750←1,140←1,001←841←717←1,054←1,234←471←463←438←813←460←743←361←926←747←789)=95%:99%:89%=24,087(25,296←23,251←23,394←24,824←22,427←21,951←26,997←22,995←23,310←21,867←23,852←34,083←19,246←18,995←21,677←21,017←21,723←31,585←27,426←29,062←24,514)95%
| 6旅・行動の記録 | 06:55 | comments(0) | trackbacks(0)
スポンサーサイト
| - | 06:55 | - | -
コメント
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://punkhermit.jugem.cc/trackback/6561
トラックバック
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< June 2018 >>
SPONSORED LINKS
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
RECENT COMMENT
RECENT TRACKBACK
モバイル
qrcode
LINKS
PROFILE