岡田純良帝國小倉日記

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俺の「Jamaican Coffee Club」。
7月17日
俺の「Jamaican Coffee Club」。
 Londonの人々の暮らしを見ていくと、イギリスという国は何が無くとも寄り合いで育ってきた社会だということが分かる。CitiにあるPubなどは、元々は仲間内で集まるGentleman’s Clubで、それ以前はTeaやCoffeeを出すCoffee Houseだったりした。
 「Lloyd’s Bank」も今や「Sainsbury’s」の入る小さなスーパーになってはいるが、1688年に設立されたCoffee Houseが母体になっている。最も古いCoffee Houseは「Jamaican Wine House」(1655年)で、今はPubになっているが、元々は「西インド会社」がインド、トルコとの茶・砂糖のプランテーション、奴隷交易を通じて成長したグループが使った。
 海外との貿易が根幹で、造船業や船会社ができ、銀行や保険会社が生まれて、さらにそれらに対する株式交換所が生まれて行ったことが分かる。戦争になれば、寄り合いで金を出す。Citiの銀行はそれが大元。武器弾薬の調達をする商人も現われる。
 「ブリジッド・ジョーンズの日記」でも分かるが、やたらめったら寄り合いに顔を出す。20世紀末のキャリアウーマンは、職場のパーティー、学校の先輩とのパーティー、親の主催する選挙パーティー、友達の結婚披露パーティーまで。
 これがイギリス人の大切な伝統で、そこに人々と知り合う機会があり、「情報収集」のウマミを知っている社会が大切にする美徳なのだろう。だから仲間意識は大切であり、「族」文化が生まれ易い。「Teds」、「Mods」、「Glam」、「Punk」。10年毎に「族」が生まれた時代があった。

             壁画 (1).jpg
 雄鶏のシャツはどうよ。「NMTB」でありまするなあ。気を吐くね。さすがにかのSex
 Pistolsというわけだわいねえ。いいのか悪いのか、俺はここから逃れられんわ。

 俺のお気に入りの某店。先日、「Go Buddy Go」事件以降、気になる店になった。まぁ、今年の5月まで暮らしていた北のエリアにはこういうSeafoodを出す店は無かった。
 Seafoodの店は無かったというのは言い過ぎだけど、「牡蠣」、「蟹」、「巻貝」、「二枚貝」、「海老」まで、ナマで出す店は、あの辺りはくまなく歩いたけれど他に無かった。

The Cow Pub & Restaurant (7).JPG

 伝統的なPubなら、休日にはSunday Roastを出すんだけれど、コイツは料理としてFish & Chips同様にクソ不味い。味が無い。味があっても料理そのものが不味いものだ。
 ローストしたぶ厚い牛肉(豚も鶏もあり)とジャガイモ、ヨークシャー・プディング、クタクタに湯がいて芯も何も無くなった野菜の付け合わせ。それらが雑然と一皿の上に山のようにテンコ盛りにされ、「味のしない」グレイビー・ソースがかかっている。
 季節によって変わるものの、カブ、キャベツ、ブロッコリー、グリーンピースなどが、ジャガイモと一緒くたになって一皿に乗せられ、そこに無味で不気味に脂肪分を含んだソースがタップリかかっているわけだ。
 例えば屋外でBBQをやる時に、面倒なので一皿に取り過ぎてしまった、そんな盛り付けで出てくる。
 「アイツら、あんなもん、美味そうに喰って」
 だからフランス人辺りにバカにされる典型的な料理だ。
 「自慢のSunday Roastあります」
 そんなこと書いてある店に限って、
 「ウチは不味いですよ」
 と血統証明書に裏書しているようなものだ。
 近頃お気に入りのその店は俺の家から2.5kmほど離れているのだけれど、妙な看板は出していない。街を抜け、週末には込み合うMarketを避けて、ゆっくり歩くにはいい散歩コースの先にある。
 先日は、調子に乗ってSmall Seafood Platterを頼んでしまった。これは、牡蠣2種を8個ずつ、海老(ハーフパイント)、タマキビ貝、ヨーロッパバイ貝を一つかみずつ。これが大きな皿に氷を山盛りにした下にアルミのプレートを敷いて出てくる。

壁画 (2).jpg

 店は昨年、壁に絵を描かせたのだけれど、ソイツがとてもいい絵で、俺はとても気に入っているのだった。Robert De NiroやDavid Beckhamから、The Residentsの目玉お化けから「Never Mind the Bollocks」のTシャツを着たザリガニまでいるのだった。
 「Never Mind the Bollocks」のTシャツを着たザリガニ――誰が描かせたのか。
 「Go Buddy Go」事件当日、その後にかかった曲には1曲もPunkはなかったのだ。Muddy Watersの「Got My Mojo Walkin’」、「Hoochie Coochie Man」、「I Just Want to Make Love to You」がかかった。その後に、Howlin’ Wolfの「Spoonful」、「The Red Roster」、そしてChuck Berryの「Brown-Eyed Handsome Man」までは覚えている。
 「Go Buddy Go」の後で、Muddy WatersだのHowlin’ Wolfだのを大音量で聴くと、知らない間に暴力的な気分になっている。高揚しているのだ。恐ろしいものだ。かけているのは50代の男たちだろう。同じ世代だろう。
 Citiには縁が無さそうだが、戦争でもサッカーと同じようにチームで金を出し合って融通して銀行を作ったような連中だ。何でもゲームになるし、どんなものであれ利害と打算が行動規範のベースにあるわけだろう。
 この店に来ているような連中とは付き合っても面白いかも知れない。俺にとってLondonの「Jamaican Coffee Club」になるかも知れない。暫くは定点観測地点で楽しみたい。


追記
孫○才の拘束の報。いよいよ末期症状か知らん。参ったねえ。

追記の追記
要望が多数あり、そのCafeの様子を掲載しときます。アメリカのリキュールがまだ珍しかった時代が偲ばれる内装でごんすな。何時も行く度に市内の古いアーケードを通ると京都の錦小路みたいな感じがするわいねえ。

20170715 Brussels (某Cafe).jpg
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