岡田純良帝國小倉日記

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気になる本――ガマンするのもツライもの。
7月16日
気になる本――ガマンするのもツライもの。
「アジフライを有楽町で」[平松洋子著, 文春文庫]
 「オール讀物」連載中の人気連載の書籍化は第3弾目になるはず。文庫化は初かな?
 この文庫のタイトルであの店かこの店か想像たくましくあれこれ想い浮かべる。実はそれが楽しい。遠いところからじっと想像して想う味があることはとても幸せなのだ。味は記憶で、記憶は味だけでなく、視覚でも、聴覚でもある。人の思い出にも繋がる。
 俺のアジフライは、祖母であり、昭和の松陰神社通り商店街の夕暮れである。 
 「 危うし、鴨南蛮
 どっきり干瓢巻き/トリュフvs松茸/ヤバい黒にんにく/どぜう鍋を浅草で/レモンサワーの夏/歌舞伎座で、鰻/羊羹でシンクロ/ステーキ太郎、見参/熊タン、鹿タン/海苔弁アンケート/インドのお弁当/最初は鯨めしだった/パンケーキ男子

      「The Dayof the Triffids」ポスター.jpg

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 久慈でもたまごサンド/外ジュース、家ジュース/冷麺あります/生ウニは牛乳瓶で/えいね! 土佐「大正町市場」/砂糖じゃりじゃり/無敵なスープ/パリのにんじんサラダ/ちょっとそばでも/ムルギーランチ健在/品川で肉フェス/
  エノキ君の快挙
 ちくわカレー!/もっとアミの塩辛/出たか、筍/とうがらしめし!/シビレる鍋/朝顔とドライカレー/夏の塩豆腐/いちじく祭り/ごぼうアセンション/わたしの柚子仕事/朝も夜も、湯豆腐/今年も焼きりんご/冷やごはん中毒/煮物ことこと
  鶏肉は魚である
 征太少年のカキタマゴ/栗の季節です/居酒屋ごっこ/白和えフリーク/牛鍋屋へいらっしゃい/かけそばと目玉焼き/志ん生の天丼/キャラメル夢芝居/塩豆とビール」
 どうも近年、ロッパの日記にあるからではないけれど、卵掛けご飯は立派に市民権を得たらしい。平松洋子さんの本作にもある通り詩人の伊藤比呂美さんの卵愛は常軌を逸しているのだった。卵掛けご飯ではなく、ご飯落とし卵で、卵の方が多い。醤油は多目だそうだ。
 そう書く平松さんも自作の卵サンドを1ヶ月も毎日喰い続けているのだから恐ろしい。最近は京都の喫茶店の卵サンド文化が関東圏に侵入したので、もう、あっという間に女子の間に卵サンドの旨さが広まったらしい。
 伊藤比呂美さんも平松洋子さんもガマンしない。平松さんはそれでも1年に1度絶食するのだ。その気合が潔くて面白い。
 祖母は料理が下手で本人も分かっていた。だから松蔭神社通りでアジフライとメンチカツを買って来て俺の夕飯にした。祖母もガマンしなかった。小学生の時に「怪奇植物トリフィドの侵略」[あかね書房]を買った。高校生になるとビールを呑ませて呉れた。脇でキセルで煙草を吸っていた。俺は煙草は止めたけれど、揚物の惣菜ははるか遠い祖母と昭和の想い出。今の松蔭神社通りにはもう面影は殆ど残っていない。

      「The Dayof the Triffids」スチール.jpg

「開かれた社会とその敵」[Sir Karl Popper著・内田詔夫 / 小河原誠訳, 未来社]
 社会の敵を「プラトン」と「エンゲルス」と「マルクス」とした本書は、1940年代の半ばに、第2次大戦の戦場から遠く離れたNew Zealandで著された。著者は、Vienna生れのユダヤ人哲学者。New ZealandにNaziの迫害から逃れ、この名著が書かれている。「Open Society and Its Enemies」というタイトルに俺は心強さを感じる。
 絶対的な真実だとか真理が生まれ、社会にそれを批判・反証することが難しくなると、社会が抑圧されてしまう。それは問題だろうと指摘しているわけだ。
 同じVienna生れのFriedrich August von Hayek(1899−1902年)によってPopperはLondon School of Economicsに招かれる。HayekはイギリスにNaziに心が折れないよう「隷従への道(The Road to Serfdom)」[村井章子訳, 日経BPクラシックス]を説く。イギリスはこれらをViennaの学究から贈られてまことに幸せだ。彼らは命懸けでNaziの全体主義に負けないようにイギリスを鼓舞した。だから「Battle of Britain」という言葉には一国だけでなく自由主義最後の砦というニュアンスがある。
「ポピュリズムとは何か」[Jan-Werner Muller著, ]
 「著者はポピュリズムを反エリート主義と反多元主義によって定義する」
 「人民を代表するのは自分たちだけだ」という反多元主義的な語りで既成のエリートを攻撃し、政治的な競合相手を排除する反多元主義の重視。今まさに、第2次大戦時のファシズムの経験を踏まえて生まれたEUが揺らいでいる。民主主義を毀損する真の敵はポピュリズムだろう。ポピュリズムを動かすのは誰か。EUに2大国があるが、以前からこの片割れのリーダーをじっと見ている。背後にはEUにはいない別の国の人の影が見えるから。(『この一冊』東京大学教授・森井裕一評、日本経済新聞)


追記
本日は某所にて先ほどまで一杯やっておりました。参っちゃうねえ。大陸の方が大人な気がしてきちゃうねえ。多分こちらの人の方が諦めを知っているのかも知れないなあ。日本人とも仲良くやれそうな気がするけどねえ。底抜けの気が違ったような成金はアングロサクソンの2カ国ばかりだもんな。ドイツ人とかスイス人も大金持っているけれど、黙っているからねえ。おっと、そこも日本人と近いのか。俺には無縁の世界だけどさ。

      20170714 Brussels  (某所掲載).jpg
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