岡田純良帝國小倉日記

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気になる本と音源――嗚呼、自粛。
倫敦日記’17(第二十五弾)
7月15日
気になる本と音源――嗚呼、自粛。
 我が家には秘密の引き出しがあって、そこは未読・再読本が積読状態になっている。今、かなり本が溜まってしまっている。心の隅で気になっているからイヤなもので、できるなら端から読み終えてしまいたいわけだが、今は溜まる一方。
 自分が好きそうな本は分かるから昔と違って精読してしまう。本に書き込みはしない主義だが、立ち止まって書き取ったりはするだろう。
 悪いことに当地に来て泳がなくなったので、代わりにとにかく歩く。電車に乗らない。もし乗っても都心に近いところにあるので、精々のところ10分も乗っていないし、大抵、電車には連れがいる。だから、独りで本を開くチャンスも時間も少ない。
 しかも飛行機や電車で移動する間に昔ほど集中して読めるかといえばそうでもない。視力も落ち、老化の哀しさで疲れやすく、全体、読み進む速度が明らかに落ちた。
 だから――深夜、秘密の引き出しをそっと引っ張り出すと溜息が出るのだった。呵呵。

新読再読積読20170620.JPG

 かようなわけで新規の購入は自粛中。どこでも、書店・古書店の類には立ち寄るなと言い聞かせている。それなのに書評を読むのは止めないのだから精神衛生上、悪い。各方面からあれこれ新刊の紹介メールまでが届く。
というわけで、今、購入ボタンを押したくて指が震えているヤツをご紹介。
「泥水のみのみ浮き沈み 勝新太郎対談集」[勝新太郎, 文春文庫]
 カツシンこと勝新太郎(1931-97年)は1997年6月に亡くなった。その頃は渡米の準備真っ最中で、9月に渡米してしまったので、慌しくてその死を十分噛み締める時間が無かった。6月21日の命日に本書の再刊を知って困った。
 カツシンは子供の頃から好きだった。これも92年にハワイで逮捕され、日本に帰国して干された後、「文藝春秋」で足掛け3年ほど連載した対談をまとめたものだった。「文藝春秋」らしい企画だ。もっとあったそうだが、衆議院議員だった浜田幸一とは、開始早々に大喧嘩になって打ち切りになったらしい。
 古本で高値が付いていたそうだが、とうとう再刊された。しかし――初回の本もそうなのだが表紙はもう少し考えてもよかった。カツシンは役者。顔が命。似顔絵ではな。
 わが「パンツの中の真実」白井佳夫/だから我らは嫌われる ビートたけし/女房替えるのも芸のうち 三國連太郎/中村玉緒に浮気のすすめ 瀬戸内寂聴/俠気について 石原慎太郎/泥水飲み飲み浮き沈み 森繁久彌/信長と秀吉について 津本陽/離婚を考えるヒマもない 中村玉緒
 タイトルは、カツシンが若い頃、森繁久弥にねだった都々逸。晩年のカツシンもこの都々逸を唸った。
 「ボウフラが 人を刺すよな蚊になるまでは 泥水飲み飲み浮き沈み」
 カツシンは晩年にBalthus(1908-2001年)の山荘に招かれた。その逸話がいいなあと思っていたら、Youtubeに上がっている。若い頃から大ファン。Balthusはカツシンの顔がBalzac(1799-1850年)に似ていて興味を持った。Balzacの愛読者だったとは!

「兵隊やくざ」2冊。.jpg

 Fidel Castro(1926-2016年)はカツシンの大ファンなので国賓としてCubaに招いたという話もあった。ハワイでカツシンの調書を取った担当者がもしカツシンだと知っていればこんな連行の仕方をしなかったのにと言ったとか。ハワイでは色紙にサインを何枚も書いたとか……
 そしてついでに音源も紹介したい。説教と語りと都々逸だ。
 SONYのSony Music Direct (Japan)(旧ソニー・ファミリークラブ)から「ニッポンの響きシリーズ」第2弾として和尚とカツシンのアナログ・レコード/CDが2013年暮にパッケージで編集されて発売されていた。遠く昭和の匂いがするねえ。
「合本 極道辻説法」[今東光]
 「人間死んだらどこへ行くか/短小のなやみ/退屈な夫婦生活/明治の女と現代の女について/和尚の一生で一番印象に残った言葉/ドン底生活から立ち直るには/どうしたら親友ができるか/サラリーマン出世の秘訣/たくさんの女を知ることで男は磨きがかかるか/女にもてる方法/中尊寺の拝観料は高すぎる!/美人の先生を口説く方法/男の生きがいとは何か/ガンの家系が心配で夜も眠れない/試験勉強のコツはないか/説法とは/醜面の悩み/将来の進路について/結婚前に女を知るべきか/ケンカに勝つ法/もう一度政界に立ってほしい/酒乱の父を殺したい/ガールフレンドの口説きかた/若ハゲの悩み/毛深い悩み/どうしたら悔いのない人生を送れるか/元気なムスコの処理法は/オナニーのしすぎが心配/努力すればひとかどの人間になれるか」

     「Modern Paintersー Autum 1994」(Balthus with Bowie).jpg

「遊びばなし集成」[勝新太郎]
 「俺と反省/四条の橋/俺と兄貴の寝床/川風/俺と兄貴と一人の女/おまえ前髪/若き日の情話/お互いに/台本とせりふ/せかれ/石原裕次郎への弔詞/さのさ/外から鍵のかかる部屋/夜桜/歌舞伎の名優たち/淡海節/演技と人間/どどいつ/かつべん・あめりかーな〜俺とおれ/うそとまこと/偶然性と映画−偶然が生む演技/俳優を生かした勝監督/二世中村鴈治郎−芸と人/勝新太郎との結婚−花嫁の父/もういちど義父のこと/もういちど結婚の頃/いい水の流れる裡なる空洞/こわい人/大衆は危険に惹かれる/不思議な人/アンティ・ヒーローの哲学-間と危険の空間〜谷川徹三先生、父・杵屋勝東治そして座頭市/座頭市の後ろ姿/捨てぜりふ、エトセトラ/晩年は父のような存在に/裕福な人ばかりの映画を/もういちど座頭市を。もっと映画を、そして芝居も/春風がそよそよ」


追記
TrumpはFranceを訪問したが、さて、内心はお互いにパリ協定を間にして不穏なものがあるわけだ。困ったもんだね。政治はそういうものだけれども、Trumpは舐められているからね、大陸に。だから、アメリカ合衆国そのものがいまや舐められてしまっているわけなんだけどねえ。分かってないんだよなぁ。このまま2期8年やったなら、アメリカは真っ逆さまだ。人災にしても取り返しの付かない人災になるだろうねえ。
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