岡田純良帝國小倉日記

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格差と差別と――ここでも出始めた不協和音。
6月17日
格差と差別と――ここでも出始めた不協和音。
 直感的に抱いた火事の社会的な背景についての問題なんだけれど、日本では高級住宅街の火事と言われているが、実際、この建物はCouncil Schemeの公共住宅。日本で言うと、昭和の都営アパートだった。
 (1)公共住宅はスラムにならないよう市内に分散させた
 (2)富裕層の多いKensington & Chelsea区でも低所得者は公共住宅に居住
 小山台の南の荏原○○アパートのあるようなもの。成城の南に○○アパートのあるのと同じ。
 Kensington & Chelseaは北側に低所得者が多く、中間部のHolland Parkには富裕層が集中し、南側にかけて中間層が居住している。

20170616 the Guardian Grenfell Tower  (1).JPG

 Grenfell Towerは区内の北部にあり、昔からカリブ移民が多く、地区東部で隣接するNotting Hill地区のCarnivalでは、過去にも大暴動が繰り返し起きて来た。
 問題のこのビルではどうだったのか。報道されている主な原因。
 (a)火災警報システム等の不備を住人が訴えても何年も放置
 (b)大規模修繕の杜撰な工事(スキル不足の職人が可燃物を外壁に使用)
 (c)冷蔵庫が爆発してガス管に引火した
 これまで、皇族も、首相も、市長も、弔問に訪れたが、首相と市長は罵声を浴びた。

20170616 the Guardian Grenfell Tower  (5).JPG

 ビルは倒壊の危険があるため、遺体の搬出も現場検証も遅れており、今後数週間はかかると言われている。被災者は地区の教会や集会所に収容されている。
 2日間で2百万ポンドを超える現金や被服等の寄付が集まっている。

20170616 the Guardian Grenfell Tower  (2).JPG

 前から指摘している通り、日本のような自由主義国から来ると、イギリスには明らかな階級社会の問題を感じる。アメリカでも富裕層と貧困層の居住地区が分かれるという、大都市部のドーナツ現象はあるにしても、イギリスほど「階級」を感じる場面は少ない。
 我が家のアパートのある地区は因みに中間部の西端。富裕層でも貧困層でもない、中間層ブロックに居住しているわけだ。幹線道路で南北と東西に居住者層が分けられている中で、隣の区と隣接した曖昧な中間層中心のブロック。
 雑多に交じり合ったエリアを気に入って移り住んだら、この大火が起き、住人を分断するような喧々諤々の論争になってきてしまった。
 このエリアを気に入っているフランス人なんかも多い。フランスは日本とこの辺りは気質が通じる部分もあって、自由と平等には喰いモノと同じようにウルサイ。
 一方、ロンドン中心部には多数の会員制クラブがある。会員のみが出入りできるクラブは、排他的で、独善的で、まぁ、イギリスはこれで21世紀もやろうってんだから、困ったもんだ。
 歴史的にも、富裕層の中にも隠れ共産党員が多い理由は、初めてここに暮らして実感できるようになってきたよ。
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