岡田純良帝國小倉日記

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昭和時代ではなかった「壇流クッキング」。
4月11日
昭和時代ではなかった「壇流クッキング」。
 時差ボケで早朝覚醒。しかしニッポンで3kgも肥えて帰国した。太平天国ですなあ。大乱近しか?
 先日触れた「壇流クッキング」[中公文庫]だが、今、小倉の我が家にある文庫の奥付を見たら1993年とあったワイ。コイツは元号では平成5年である。ボケているわい。
 ということは、これは“小倉の料理番長”に付箋紙を付けて渡した別の一冊ということなのだろう。
 そうすると、俺が母親に渡したという記憶が正しければ、母親に押し付けて一顧だにされなかった恨みかどうか、自分の女房にも同じように同じ本に付箋紙をベタベタと貼り付けて押し付けたことになる。恐ろしい執念深さだぜ。我ながら気持ち悪いねえ。イヤな男だ。オホホホホホホ。

      20160407 (3).JPG

 この付箋紙の付け方。ほぼ2ページに1箇所のような調子で付いているから付箋紙をわざわざ付ける意味無いよな。渡された方はプレッシャーを感じるだけで、ちっとも、 嬉しくないだろうなぁ。
 20世紀の末にアメリカ東西岸に暮らしていた時には、本書は、文字だけだのに、文字を追うのも目に毒な感じがあった。開かなかったけれど、今では本書も毒には感じない。

20160407 (4).JPG

 壇一雄はアジアを歩いたと言っても、旧満州地区を中心とした中国の北から東北部だろう。上海から杭州辺りでは本格的な魚食をたっぷり喰ってはいないはずだ。四足の豚料理か、精々でも蒸し鶏の白切鶏程度。獄中では地べたを這って歩いた分、今は余裕が生まれて、ゆったり読み、縦横にその妙味を脳裏で味わうこともできるわけよ。
 そもそも我が家ではそれほど和食に偏していないこともあるかな。米飯も欧米では殆ど口にしない。味噌汁など、月に一度程度も呑まないかも知れない。
 拘りがあるとすると、魚食だろうか。刺身もいいし、寿司もいいが、俺は家でやるなら大物魚類の清蒸が大好き。コイツはカリフォルニアで夢中になった。そして北京ではしつこいくらいわざわざ毎週末湖南料理の店に通い続け、自分なりに味覚を研ぎ澄ましたわけさ。
 息子の太郎と嫁の晴子は、ヴェトナムとタイを旅して自家薬籠中のモノにした点で父親を凌駕している。料理好き一家に育った息子・娘世代として、オヤジ殿のバトンを立派に受け取ったわけだな。

      「壇流エスニック料理」表紙。.jpg

 太郎さん晴子さんよりも2世代も下の俺の世代でグルメ・グルマンなら、南欧の料理は言うに及ばず、彼らのように料理を作らずとも、ヴェトナムとタイの料理くらい押さえていなければモグリというのは極論ではあるまいよ。
 ついでに、喰いのルートなら蝦夷から北前、さらに長崎や堺から密貿易ルートで運ばれた沖縄料理の昆布だわね。沖縄は昆布が取れないのに昆布ダシが郷土料理のベースになっている不思議さよ。
 遥か遠く大口在の我が岡田一族の鎮守の杜・筥崎神社本殿は琉球意匠がある重文だものなぁ。鹿児島のチベットの大口でさえ、首里からやってきた者が神社創建の16世紀頃には暮らしていた訳だろう。味なもんだぜ。ウッフッフ。
 ヴェトナムとタイの地方の街道に行くと、俺の胸はざわざわとなる。とりわけ、夜の蛍光灯に照らされた商店とか定食屋の客の姿。寝そべった雑種のアジアの犬たち。遠いDNAが呼び覚まされるのだろう。理屈ではないよ。
 「壇流クッキング」や「壇流エスニック料理」は、そんな諸々の想い出がない交ぜになって、セイシュン時代の味覚の妄想の最後の光芒を今も放っているわけさ。俺の前半生を彩り、俺の胃袋を満たしてきた大切な本たちだ。


追記
一昨日最高気温は25℃のところ、昨日は15℃かな。10℃の落差は大きい。帰宅時の風の冷たさに恐れをなして電車に飛び乗ったわい。今日も16℃かな。乱暴な気候に驚いてはいけん。温暖で優しい気候は日本くらいのものなのだわ。
一昨日から方々からこちらに安否確認の問い合わせがあった。そうなんだよ、ちょいとそちらの雲行きが怪しいぜ。だけどここは一つ愚直に参ります。ま、俺の後ろには誰も着いて来ないかも知れんが、苦労承知で引き受けたこと。後継の育成などは理想を言うだけになって詮無いことになるわい。丁寧に誠実に。だが誠心誠意なんて言ったって、分からんチンには未来永劫永遠に分からんけえ。気にしておってもこれまた詮無いことで。これから徒歩にて出発。本日は特に予定無し。
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