岡田純良帝國小倉日記

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木蓮の奇縁・London Ladyの気風(下)。
4月12日
木蓮の奇縁・London Ladyの気風(下)。
 峠道にある行き付けのPubの話の昨日からの続きだ。
 駐車場に1960年代初頭と思しきJaguar Series 1(E-Type)のHard Topが停まっていた。少しグレーがかった青で、革張りのシートと色を合わせてある。

Jaguar E-type (Open) 1968.jpg

 (おお、何というイヤミだ)
 運転席は左ハンドル。大陸かアメリカからの逆輸入車だろう。
 (あのバイクは?)
 先ほどはHarley Davidsonが走り出て行ったが、LondonではBSAのGoldstarとか、NortonのCommandなどのCafé Racerを時折見かけることがまだできる。
 それが、駐車場側に向いたベンチでBeerを楽しむカップルの前に妖しい小振りのCafé Racerが俺にお尻を向けている。
 (むむむむ)
 気になって近寄っていくと、何と、何と、何と。1975年辺りのHonda CB400 Fourをベースにしたすごい改造車だった。

Honda CB400 Four Cafe Racer (1).jpg

 シートはアンコ抜きしてあって贅肉が無い。メーターは速度計と回転計を1つにまとめた小さなものに幅広の一文字ハンドルを組んだ。エキゾーストパイプはオリジナル。サーモバンテージを巻いて、その先のマフラーはオリジナルだが筒先だけは小さく開く短いメガホンに交換してあった。リヤのショックは赤くて細い強化スプリング。フレームはさらにメッキで塗装してあった。
 ほぼタンクとエンジン以外は全交換。タンクはオリジナルの赤い美しい塗装のままだ。
 (うーん、コイツは渋い)
 小さなバックステップの位置はそれほど後ろ過ぎず、俺でも、丁度いいくらいだろう。こんな小粋なCafé Racerを誰が乗って来たのだろう。シャシンを撮ろうと想ったのだが、目の前のいい感じのカップルに遠慮して泣く泣く諦めた。
 木蓮の花に誘われて、向かいのHampstead HeathにあるKenwood Houseまで歩く。桜は散り始めていて、Kenwood Houseまでの未舗装のアプローチはきれいに整地されていて、ここを通る時には鹿児島の城山の坂道を思い出す。
 大木に花が満開になるという光景は日本なら桜と桃と木蓮などがあるが、ここの庭には木蓮だけでなく、しゃくなげ、椿、水仙、クリスマスローズに加えて、一部で狂い咲きのバラまで咲いている。北国に春が訪れたというのはこういうことなのか。
 Kenwood House本館前の斜面には木蓮がある。この木にも白い花が咲き乱れていた。1936年、祖父の純良がこの木蓮前で撮影した写真があり、昨年も同じ場所に立って撮影をした。木蓮は1週間程で花を散らせてしまう。せっかくだから1枚記念に撮った。
 自宅に帰り、夜半、自分の木蓮と純良の写真の木蓮をパソコンで比べて、初めて純良の写真の木蓮も実は満開であったことに気付いた。純良の写真の構図は木蓮が邪魔をしてKenwood Houseの建物がよく見えない。「4月19日、Kenwood Garden」とキャプションが入っていて、1936年4月19日であることは分かっていた。
 だが、80年前の写真をよくよく画面で拡大して、初めて木蓮が満開に咲いていることが分かった。同じ木だが、枝ぶりも若くて小さい。迂闊なことだが、80年前にも同じ木蓮が満開であったことに初めて気付いたのだ。
 4月19日は3月25日よりも1ヶ月近く遅い。今年は桜の開花も早かったように陽気に誘われて木蓮の開花も早かったのだろう。俺はその1936年4月19日撮影の純良の写真は意識にあったが、木蓮が満開だったことは全く意識に無かった。1ヶ月早い木蓮の満開のこの日、図らずも満開の木蓮の前に立つよう、純良に「呼ばれた」のだろうか。
 しっかりせいと純良から背中をどやしつけられたようにも想う。頑張れよと温かく声を掛けられたのかも知れない。
 鹿児島の城山のようだと感じる公園の入り口。満開の木蓮。80年経った今年の木蓮は、薩摩っぽの純良の写真の満開の花の付き方と違って、もっとずっとあでやかだ。花の数も密度も高い。80年前の純良の木蓮は花弁がスカスカして枝がしっかり見える。
 いやいや、何ということか。初めて気付いたが、やっぱり、この土地と御縁があったということなんだろうなぁ。もっと大切に丁寧にいかんといけんか――心を入れ替えて。
 (あっ!)
 さらに気付いたのは例のCB400Fourのオーナーのこと。そういえば、フルフェイスのヘルメットを持って屋外のテーブル席を探している女の人が庭を歩いていたんだった。

          本牧レディ.jpg
 こちらは歴代「本牧レディ」と七代目レディの相沢リエ。如何にも1980年代だわさ。
 今はこんな女の子たちはいないんだろう。この手の女性は今頃ヤンママの果てに
 マイルド・ヤンキーどもをどやしつける肝っ玉カアチャンになってんのかな。

 (ああ!、あのバイク、女にピッタリだ)
 あすこまで手を入れたCafé Racerで、女1人で峠のPubに来るなんて、最高の女だな。もっとちゃんと観察すれば良かった。Pubの客も玉石混交。気を抜くなってメッセージだ。成金の道楽と違って、いい趣味してるぜ、彼女。さしづめLondon Ladyだ。
 心を入れ替えて参ります。純良じいちゃんに感謝。そして、幻のLondon Ladyに感謝。


追記
体調が少しおかしくなってきたな。寝不足もあるけどねぇ。今日はとうとう今年初めて部屋の中に蟻が出てきたぜ。啓蟄じゃないけど、とうとう蟻も這い出してきたわけだわねえ。ヤだねえ。東京は10℃ってきいたけど、こちらでは薄ら寒くても15℃くらいはあるからね。一昨日は夏日だったけど。寒暖の差できついんでしょうな。
幸三さんの聞き書き本、読了。特に感想は無かった。フォーサイス自伝に取り掛かろうかと想う。

追記ノ追記
北朝鮮は絶対ヤバイぜの大合唱なのに韓国という国は一体何をしているんだろう。朝鮮戦争の時のように国境に近いソウルなんてあっという間に火の海になってしまうはずなのに。朴大統領の逮捕・拘留もさることながら、連休後の選挙の結果次第ではさらに半島の不安定化が加速してしまう。獄中に頼れないことをもう少し米国も考えたらいいと想うのだが、その回答が空母派遣だとするなら、いよいよ岩国基地にミサイルが飛んでくる可能性が高まるってことなんけえ。困ったもんだ。やっぱり先制攻撃をできるようにして、手順として憲法解釈の議論をするんだろうなあ。だけど攻撃する位なら死んだ方がましだとか言う平和ボケのセンセイが多いからなあ。先制攻撃をして枢要の基地を叩かない限りこちらは火の海になっちゃうのに。生物兵器と化学兵器も彼らは持っているわけだからねえ。それらがどういうことを意味しているか分かっているんだろうか。今の野党の諸センセイ方は。
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