岡田純良帝國小倉日記

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牛乳屋さん、元気かな――Elvis Presleyと昭和。
3月24日
牛乳屋さん、元気かな――Elvis Presleyと昭和。
 昭和58年(1983年)には、世田谷4丁目にあった祖母の家に住んでいた叔父一家の所に転がり込んで半年近く暮らしていたことがある。
 夏は「Mobil」ブランドでガソリン・スタンドをやっていた冨士鉱油でバイトをしていて、小田急の梅ヶ丘駅前の店の親方が出入りするから顔見知りになった。
 今では大看板になってしまった駅前の「美登利寿司」で鹿児島から就職したヤマちゃんが出前持ちをやっていた頃。しょっちゅうヤマちゃんはスタンドの前でウィリーを決めた。50ccのスーパーカブが可哀想だった。
 上客では、荒木一郎がいて、電話があると店長が出向いてキーを預り、車をスタンドに持ち込んだ。俺は真っ赤なコルベット・スティングレーをよく磨いた。
 その頃の梅ヶ丘駅前商店街の人はまばらだったけれど「玉田表具店」のオヂサンが元気で、「松井寝具店」も店を開けていた。

「Elvis Presley登場」(1956)ジャケット.jpg

 「モスバーガー」梅ヶ丘店は今と場所が違っていて小さな店で、イートインなどはできず、テイクアウトのみのカウンターだけだった。
 そんな中に、通称、「牛乳屋」と呼ばれていたのが山田さん。「武蔵牛乳店」という看板は出していたが、もう、昭和の終わりには、牛乳は配達する時代ではなくなりつつあった。だからかどうか、牛乳屋さんの息子は何時も店の中で暇そうにしていた。
 痩せて背が高く、どこか、若い。結婚していなかったんだろう。所帯臭さが無いのだが、それが頼り無さにもつながった。今は珍しくはないのだが、40代独身ってのは、カタギの世界では少なかったから目立ったんだろう。
 「あの人は古いレコード一杯持ってんだよ」
 ある日、スタンドに来る商店街のお客さんに聞いて、牛乳屋さんのところに顔を出した。
 「実はElvisのレコード持っているって聞いたんで」
 牛乳屋さんは嬉しそうな表情になって、2階の自分の部屋からレコードを持って降りてきた。戦前の2階屋だから自室ってのは畳敷きなんだよ。通りからその姿が見えるわけだ。

Elvis Presley (1)

 「これだけあるんだ」
 面白いことに、牛乳屋さんのコレクションはどれもElvis Presleyの初期の邦盤だった。10インチの変形アナログ盤「エルビス登場!」も「King Creole」も「50,000,000Elvis Fan Can’t Be Wrong」も含まれていたようだ。我が家には「Elvis Golden Records」はあったが、最初期の音源は聴いたことが無かった。
 「Elvisは入隊前が最高だよね」
 牛乳屋さんは力説した。色々とRCA時代のアナログ盤を持っていたわけだ。
 「俺が中学生の頃なんだけどさ」
 中学で1,500円もしたレコードを集めていたんだから、梅ヶ丘の牛乳屋は昭和30年代には羽振りが良かったというわけなんだろう。
 今なら俺が大学生にピストルズのアナログ盤を貸すようなものかな。俺は薀蓄を言ってしまいそうだ。クワバラ、クワバラ。
 Chuck Berryのことを書くことは、Guitaristの誕生を書くことでもあるから、同時期、世界を席巻したElvis PresleyとScotty Moore(1931-2016年)のことを調べていて、結局、こういうPlay Listを作っちゃった。「From Elvis in Memphis」と初期のミックスになる。
 昭和も遠くなりにけりだ。牛乳屋さんが元気なら、もう還暦は過ぎているだろうなぁ。帰国したら梅ヶ丘にまた行ってみようか知らん。

          岡田純良のPlay List for Elvis Presley 
            1. Wearin' That Loved On Look
            2. Hound Dog
            3. I'll Hold You in My Heart
            4. A Big Hunk O' Love
            5. Burning Love
            6. Blue Suede Shoes
            7. Suspicious Minds
            8. Good Rockin' Tonight
            9. I Need Your Love Tonight
            10. Don't Be Cruel
            11. Heartbreak Hotel
            12. Jailhouse Rock
            13. Milk Cow Blues
            14. Any Day Now
            15. (Now and Then There's) A Fool Such as I
            16. After Loving You
            17. One Night of Sin
            18. In the Ghetto
            19. Gentle on My Mind
            20. Hard Headed Woman
            21. (Let Me Be Your) Teddy Bear
            22. All Shook Up
            23. Mystery Train
            24. Return to Sender
            25. That's All Right
            26. Blue Moon of Kentucky
            27. Don't Be Cruel
            28. I Want You, I Need You, I Love You
            29. Maybellene [#][Live]
            30. Crawfish


追記
上記30は「King Creole」冒頭で使われたんだけど、こちらがジョニー・サンダースにかかるとまたまた感じが違って。そういう連環もRock 'n' Rollは面白いわねえ。Chuck Berryの追悼文は書き終われない。日々事件が起きていてさ。ま、締め切り次第ってことだ。
そうそう、Chuck Berryの「Big Boys」に参加していたNathaniel Rateliffが組んだThe Night Sweatsってのは、とてもいいバンドだわねえ。ああいうの、演りたいもんだねえ。
| 8音楽 | 08:49 | comments(1) | trackbacks(0)
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コメント
梅が丘の地名に懐かしさが、羽根木公園で花火をして火事に成り逃げた事も、荒木一郎の名も 私がアルバイトしたGSには三橋美智也が良く来ました、必ず500円をくれました、懐かしいです。
| harunoriishii | 2017/03/24 1:18 PM |
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