岡田純良帝國小倉日記

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気になる本――若い人に。
2月27日
気になる本――若い人に。
「日米開戦と情報戦」[森山優著, 講談社現代新書]
 「興味深いのはインテリジェンスについての分析である。アメリカが開戦前から日本の外交電報を解読していたことはよく知られている。一方で、日本は情報戦に完敗したというイメージが流布している。しかし実際のところ、アメリカの暗号解読は正しい情勢判断や巧みな外交につながったわけではないし、日本が暗号解読の実績において、英米にそれほど劣っていたわけでもなかった」
 「アメリカ政府が日本に『最初の一弾』を撃たせることを意識していたとしつつも、戦争の全体像や暗号解読の実態から、いわゆる真珠湾攻撃陰謀説については明快に否定」

        「日米開戦と情報戦」表紙。

 敗戦軍は戦勝軍が進駐して来るまでに書類を延々と焼いた。以前、海軍工廠が建造した大和の関連書類が殆ど残っておらず、三菱重工長崎の武蔵は残っているから海軍はいい加減だとどこかの親方が放言したので、宴席をいいことに説教したことがあった。上に判断力が無いと情報を取っても屑箱行き。それが殆どの歴史さ。だが、若い人は渦中に飛び込め。道は拓かれるぜ。(政治学者・京都大教授・奈良岡聰智評、讀賣新聞)
「草食系のための対米自立論」[古谷経衝著, 小学館新書]
 著者の古谷経衝(1982年-)はロン毛のアニオタ(アニオタ保守本流)で、評論家で、ネットでは有名な右翼系の人物ということになっている。テレビに出ては叩かれたりしていて、俺にはよく分からないが、ネットの世界では一角を占めている人物だそうだ。
 そういう人が、「シン・ゴジラ」や「トモダチ作戦」を例に挙げて日本の自立を促している。
 「近ごろはアメリカという後ろ盾が消滅、あるいは無効化する可能性を見て取り、動揺が広がっているという。著者は、アメリカが北朝鮮のテロ支援国家の指定を解除したことや、映画『シン・ゴジラ』の戦闘場面などを例示。結局のところ、自国のことは自分たちで解決するしかないと、日本人が気づき始めていると指摘」

        「右翼も左翼も嘘ばかり」表紙。

 タイトルにもある通り、反米愛国系のスタンスのようだが、現実路線で考えようという姿勢は買えるところ。
 「完全自主防衛などの極論を排しつつ、いかに『自立』できるかを考える。そんな姿勢がたしかに求められている」
 アメリカとの関係は単純じゃない。「トモダチ作戦」はやってくれた。制服組だけでなく、テンガロン・ハットにカウボーイ・ブーツの男たちが都内を闊歩していたのを観た人はいるかな。ヤツらは時には「戦争の犬」になるが、特殊なCivil Engineerたちだったのだ。俺は気づいたぜ。ネットばかりじゃなくて「街に出よう」ぜ、若い人は。(『記者が選ぶ』(佑)、讀賣新聞)
「現代日本外交史」[宮城大蔵著, 中公新書]
 上の古谷経衝のような世代は、これまでの30年間のアジア政策をどう見るだろうか。
 「長らく東南アジアをはじめとする『海のアジア』に着目してきた宮城氏ならでは。その柱は安全保障に加えて地域主義である。米、中、露といった大国との2国間関係のみならず、アジア太平洋における日本の位置を丹念に探るのである」
 「アジア太平洋経済協力会議(APEC)の設立、カンボジア和平への積極的関与、ODAの指針となった『人間の安全保障』、小泉純一郎政権期のASEAN(東南アジア諸国連合)+6路線、福田康夫首相の『「内海」としての太平洋』構想といった地域主義の系譜を取り出すと、能動的な外交の姿が立ち現れる」
 現在、日本のメディアは、反米にせよ、親米にせよ、アメリカ合衆国が過去の超大国の立場から降りようとしていることで座標軸を失って漂流しているようにも見える。その模索の一つがネットの新世代の声を拾い上げていく試みかも知れない。
 本書は冷戦以降の日本外国を概観する試みなので、その10年前に急死した大平正芳の「環太平洋連帯構想」については触れられていないのか。日韓交渉・日中国交でも大平は外相として関わった。若い人には大平正芳のような男がいたことは押さえて欲しいな。
 本書著者の宮城大蔵氏は元NHK。現在上智大教授だそうだ。一昨日触れた丸山鐵雄の評伝、「娯楽番組を創った男」の著者の尾原宏之氏もNHKに在職していた。丸山鐵雄はNHK職員だったから分かるが、それでも、近頃はNHKを辞めた人の書いた本を取り上げることが多い気がする。NHKはやるべきことが見出せていないのだろう。
 NHKだけではない。朝日新聞も同じだ。親しかった男は、朝日を辞めて、今、地球の裏側のStreetからバンバン書いている。頼もしい。(政治学者・東京大教授・牧原出評、讀賣新聞)


追記
某所へ移動。都会だけど、その分色々なことが目に付く。
俺が子供の頃はブランコのファシズム政権だったというのは建築物で伺えますわな。山中の大きな村落なんかどこにもなくて、全てが大きな集合住宅というところにやるせなさが感じられる。
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