岡田純良帝國小倉日記

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続続続々・今週の気になる本――不良老人の「紅葉」と法の生々流転。
11月25日
続続続々・今週の気になる本――不良老人の「紅葉」と法の生々流転。
「紅葉する老年 旅人木喰から家出人トルストイまで」[武藤洋二著, みすず書房]
 「老年を紅葉期と名づけ、剛直な文体で人生をしぶとく思索する一冊である」
 あのトルストイが、80歳を過ぎて家を出て、行き倒れて果てたのは文句無くカッコいい。女房が悪妻だったとか言うのは、トルストイにとって失礼で出たいから家を出たのだ、そういう視点で描かれた一冊のようだ。それだけで俺はオッケーだなぁ。
 そんな筋で言えば、嵐山光三郎は「不良中年」を読者に勧め、その後、自ら「不良老人」になっていったわけだ。昨年は還暦過ぎのきだみのるの佇まいを描き、今は若い頃からのライフワークで、不良人生のロールモデルの原点、松尾芭蕉に取り組んでいるはずだ。
 局部にゼリーを塗っても愛する男と寝たい70代の気持ちを描いた岸惠子。菅原通濟は若い頃の岸惠子がお気に入りだった。「ゆかた随筆」(1955年)ではまだ距離があったから、センセイ、岸惠子にデレデレ。オンテレ・メンピンである。
 「(俳優になれば)惠子ちゃんと画中でほんとに会へるかも知れない。“おとうサマァー”なんて彼女が私の胸に顔をうづめて泣きくずれるところなんか、まんざら悪くないな。イャ、おとうさまは、ちとどうかと思う。十年たってからだと、七十一だから、お兄さまどころか、ヘタすると―お祖父さまー―なんてやられたんではかなはんな」
 ところが、通濟センセイ、翌年の「六十の味」(1956年)では一緒に酒を呑む仲間になって、岸惠子は、ちょいとヤバイ酔いっぷりを暴露されている。愛妻家の高橋貞二と、酔って間違いを起こしそうになっているのだ。

「をとこ冥利」表紙。

 この頃、鶴田浩二との不倫の果てに荒れていた頃だったのかも知れないし、ハッキリとそう描いていないが、身近に岸惠子を見て、危ないアプレゲール女優と踏んでいた節がある。そんな姿を描かれたことは、御当人は知らないだろうけれど。
 それにしても鶴田浩二はとんでもなく見境の無い男だ。つい先日、平幹二郎は風呂場で亡くなって倅に発見されたが、8月に前妻の佐久間良子が連載した「私の履歴書」でその鶴田浩二と結婚後に不倫されていたことを暴露された。ヒラミキもゲイ疑惑のあった人。どっちもどっちかも知れないが、元女房の告白で寿命が縮んだのではないか。共演相手全員と寝たか、鶴田浩二。とまれ、老人も奔放にヤッているのが現代。彼らの親世代とまるで違うだろうさ。時代と共に変わるのさ。(エッセイスト・平松洋子評、讀賣新聞)
「法の奥底にあるもの」[前田雅英著, 羽鳥書店]
 刑法の権威。司法試験受験者でこの人の刑法の著作を手に取らなかった人はいないはず。本書の副題は「ゆく川の流れは絶えずして万事塞翁馬」。その名付けた「心」が興味深い。「『正しい』という判断は常に動き、固定したものがあるように見えて、一瞬たりとも同じではない。また、学者としての生活の半分はつらかったが、運良くやってこられた」という思いがあったからだそうだ。御用学者の批判もあるが俺はその説に頷ける。法学者でありながら、世の変化や社会の相対性を許容する度量がある人だからだ。

Paris 20161010-13 (掲載別々)

 「『○か×かどちらかと言われても、答えは見つからない。足して2で割るのも間違っている』。調和点を求める過程こそが重要だという」
 少年への刑罰の厳罰化論でも有名だが、それは、刑罰が緩ければ、少年が不安定な精神状況に陥り易く、犯罪行為に走り易いからというスタンス。これも俺は納得できるわな。神戸の少年犯罪は少年法の適用の前提にそういう議論があったことを覚えている。
 世間は曖昧なところがあって、判断が難しいのが常だ。しかも絶対不変のものではない。時代や社会状況で変わる。この数日で観たように、若者や老人の性愛観も性愛行動も、社会や時代で千変万化する。親が狭い経験を子に押し付けるのはアホだが、挨拶だとか生活習慣などの「躾」を教え込み、生きる力を付けてやらないのも愚の骨頂。この呼吸が分かる人は何でも相対化できるんだろうしさ。(『著者来店』原田和幸、讀賣新聞)


追記
ロッキード裁判は空前の冤罪だったとするなら、日本の法制度ってのは、権力とヨロンの走狗だったということだ。
そいで、メディアもタタラを踏んで、踊らされ、やっていることは全く間違っていたということにもなるワイねえ。操作されていた、飼い慣らされていた、情け無いクラスターだった訳だ。俺の先輩も多かった東京地検特捜部もさ、本来なら骨を見せなければいけなかったのに、どいつもコイツも骨が抜けていてさ、人間のクズのたまり場みたいなところだったってことだ。
それに立ち向かわなくてはならない太閤みたいな人物が、そもそも親バカで、ついでに娘も輪を掛けてバカだし。
そういう親にお縄を掛けるってのは、法曹界ってのは、狭い閉じた社会だったってことだな。つまるところ、敗戦ニッポンの法曹界ってのはそういう情け無い世界だったってことだな。
弁護士は共産党で、地検は世間の人気ばかり気にしているし、裁判官は世間知らずばかりでさ、クズばっかりだな。法曹は法匪っていうか、包皮野郎ばかりで、笑っちゃうより、笑い過ぎて放屁のレベルだわいな。笑えんぞ、アホ。
筋を通す者がおらんのは、情け無い。俺の知っている○○○○は、そいでも、結構、頑張っとるようだけんどもさ。
| 9本・記録集 | 08:06 | comments(2) | trackbacks(0)
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コメント
石井さん
コメント有り難うございます。
写真をよく観て頂くとお分かりの通り、「をとこ冥利」はハードカバーと簡易版の2冊手元にありますので、1冊は帰国の折には携帯して石井さん宛てにお送りできます。お楽しみに。
| 岡田純良 | 2016/11/25 7:23 PM |
楽しく見ています をとこ冥利懐かしいですね、私も探した所  をとこ冥利はありませんが懐かしい本が数冊出てきました。
| harunori ishii | 2016/11/25 9:59 AM |
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