岡田純良帝國小倉日記

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イマヘイの「豚と軍艦」。
3月17日
イマヘイの「豚と軍艦」。
 先日、正月明けにBSで放映していた、イマヘイこと今村昌平監督の「豚と軍艦」を観た。17歳の吉村実子の演技も良かったが、こちらにとっては、加藤武と小沢昭一の旧制麻布中の同級生コンビが三島雅夫の組長に仕える様子が実に良かった。
 さらに言えば、監督のイマヘイは、彼らとは早稲田の先輩後輩でもあったわけだから、イマヘイも含めて、3バカの江戸っ子トリオである。今村昌平監督は、
 「よう、イマヘイ」
 仲間からそう呼ばれていたから、昔からの顔馴染みだった加藤武も小沢一郎も伸び伸び演じている感じがある。

 豚と軍艦 (2)

 冒頭、三島雅夫の組長を真ん中に、その左右に加藤武と小沢昭一、その後ろに、何故か代貸しの大坂志郎。一見、温厚そうだが、不穏な佇まいの三島雅夫。黒メガネ姿の加藤武。ダボシャツの小沢昭一。それに不安そうな表情の大坂志郎。
 4人の顔が並ぶと、その大写しだけで笑ってしまうわけである。
 加藤と小沢はよほど仲が良かったのだろう。大坂志郎の代貸し役にコキ使われる場面も、漫才コンビのような絶妙の間合いがあって、それだけで笑ってしまう。長門弘之に大坂が因果を言い含めるダルマ舟の場面。
 古い兄貴分の加原武門がアプレゲールの丹波哲郎に返り討ちに遭い、あえなく殺されてしまう。この出所してきたばかりの加原武門の切った啖呵も、短くって歯切れが良くって粋だった。出演場面は短くとも、こういう演技ができる人があれば、映画に厚みが出る。
 横須賀の港を走るダルマ舟は加原武門の遺体を乗せている。加藤武はウイスキーらしい飲み物をラッパ飲みした後で、小沢にビンを回す。その間、代貸の大坂志郎は、
 「アニキに何かあったら、オメエが自首して出るんだぜ」
 長門弘之を説得する。

 豚と軍艦 (いいムードですわ)

 小沢は加藤武が手を伸ばすのをやらねえよと身振りで示す。演技を付けたのか。監督に構わずに勝手に演っているように見えなくもない。息が合っていて、ヤクザ業界で絶対に親分になれそうにないチンピラぶりが板に付いている。

豚と軍艦 (左端が丹波哲郎)

 彼らが脅す相手が、今は養鶏場をやっている元チンピラ仲間の西村晃だ。配役としては主客転倒という感じがあるが、後にあまりにも頻繁に金を脅し取るので首吊り自殺をしてしまう。遊んでいる。
 それにしても、主演の吉村実子と長門弘之の間で交わされる会話の語尾は全て「じゃん」付きだ。
 「川崎行ってさ、職工になればいいんじゃん」
 「バッケヤロー、そんなのダメじゃん」
 「アタイ、お金なくともいいんじゃん」
 じゃんの大安売り。だが、長門弘之の“スカジャン”はバッチリだったぜ。

豚と軍艦 (13)

 南田洋子がここでもとても魅力的で、勝代という肺病病みのヤクザ・丹波哲郎の情婦の役をイキイキと演じている。キリキリしていていい女だわねえ。「幕末太陽傳」のこはるに匹敵。惜しいのはタバコを吹かして鼻から出す点だ。それがなければ完璧なナオンなのに――40年も前から残念に想っていた彼女のたった一つの欠点だ。
 (もとい)
 長門弘之なんかと結婚せずに、俺と結婚すれば大事にしてやったのに。このバカ娘め。呵呵。☆☆☆☆


追記
本日も関東地方晴天也。ひと泳ぎしてジンセイ深く沈思黙考。手元には「NME」。ウッフッフッフ。
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豚と軍艦
豚と軍艦   シネスコサイズで上映された  スカパーのどのチャンネルか忘れてしまったが、何年か前に長門裕之さん主演の『豚と軍艦』という映画を初めて観た。1960年(昭和35年)製作、翌年1961年(昭和36年)に公開された今村昌平監督による日活映画である。
| 湘南のJOHN LENNON  Those were the days | 2013/06/01 5:46 PM |
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