岡田純良帝國小倉日記

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誕生日随想――暴かれたジュンスカ帝國。
小倉日記’10(第五弾)
2月2日
人物解体――“スカシのジュン”、こと、吉行淳之介のイチモツ。
 本日、小生、46歳になり申した。
 四捨五入だから、もう去年でアラフィーになっていたのだ。それでも、45歳くらいだと、内面では50代はまだ先のような気がしていたのだけれど、46歳となってしまうと、もう50代が完全に視野に入ってきた。
 (そんなことで)
 年末から先日まで、吉行淳之介のことでやたらに忙しく、ずっとバタバタしていた。
 (どうして吉行淳之介なのか?)
 そ〜れ〜は〜、誰も知らんことよ。
 秋も、金子光晴のことでドえらい苦労した。もっとも、金子光晴なんて人は、世間では誰も覚えちゃいないだろうけどよ、俺は何時までも覚えているぜ。
 大体、金子光晴を取り上げて考えたいと思い立ったのも、とてもシンプルな理由だもの。19世紀末に生まれた人物だけど、もし20世紀後半に、この人が思春期を送っていたなら、必ずや、Rock & Rollの世界に踏み込んでいただろうと思うから。分かるかねぇ、この辺り。
 つまり、おっちょこちょいな野郎だということなのかも知れないけど、さ。その伝では、吉行淳之介も、別な切り口でそういう予感がするぜ。まぁ、今や鳩山由紀夫のブレーンの平田オリザみたいな演出キ○○イになるかも知れないけど。鳩山由紀夫は自分が無いから、周囲には、キ○○イみたいな連中ばっかり集めてブレる。困ったことだ。
 (おっと)
 平田オリザのことじゃなくて、吉行淳之介のことだっけ。
                    「サライ 吉行淳之介特集号」表紙。
 この人も、40代以上でなければ知られていないと想う。我がアクビ娘も知らないもの。まぁ、それはどうでもいいことなんだけれども、最近では、20世紀の小説家の歴史上でのサバイバルが、「現在開始了」って感じだな。それでも過剰なご要求の多い世間の読み手に、今や太宰治が受けて本流になっている時代だからね、もう、何を言っても詮無いことよ。ごめんあそあせのことよ。
 (おっと)
 その、吉行淳之介のことだったっけ。
 昭和の後半には、文壇周辺では大きな存在感を持っていた吉行淳之介の生き様について、世間が抱いていたイメージと、その内面とでは大きな落差があるように感じていたのさ。それで、俺にとってどうして世間が抱いているイメージと違和感があるのか、その落差にある何かを、どうにかして、乱暴な言葉で言えば、暴いてしまいたかったわけだ。
 ちょっと前から、その件で、俺はずっとある仮説を立てていたわけなんよ。ところが、吉行に近しかった人たちの出す評伝が、ことごとくツマラナイ。全くもって、面白くない。あの家の謎、家族の謎、一族の謎についても、全く触れていない。それで、自分なりに、今、分かる範囲で考えてみようと思ったわけだ。
 立ててみた仮定に沿って、吉行淳之介の代表作のある作品と、自伝的な回想記の2つを読み合わせれば、恐らく、万人が気付く、ある古い事件があるのだ。それをどうにかして証明しようとしてみたけれど、やっぱり、ダメだった。それでも、証明する大切な作業は、これからの伝記作家がやってみなはれ。こっちはタマを投げた積もり。ウッフッフッフ。
吉行関係書籍。
 立てた仮定が正しければ、吉行の一見華麗な生涯も、言わば、どこの誰とも代わり映えしない中年男の自分への復讐史だったということになる。とてもありふれた話で、そうよ、全くもって哀しくなるわけなのよ。だから今やおしなべてオバチャンになっているだろう熱烈なファンからは、猛反撃を受けて「炎上」してしまいそうな予感もあるにゃぁ。
 だけど仮説をなぞっていく過程で、吉行センセイに、そこはかとない共感が湧いてきた。不思議なものだけれど、前々から吉行のことを気になっていたのも、吉行の張った煙幕の間から、“傘はり浪人”のイチモツを見てくれよう、実は貧相な一竿ではないかと感じていたからなのだ。
 (そして)
 やっぱりそうだったという感じがある。貧相だった、実に。この人は、生涯を通じて、世間に対して、太宰治ではないが、吉行淳之介流の“引かれ者の小唄”を唸り続けていたのさ。イッヒッヒッヒ。だからこそ、却って、男としてよく生きたなぁという感じもして、この辺りの感覚は複雑なものがある。
 「第三の新人」で世に出てずっと付き合った連中にとって、窮地にあった吉行淳之介から示された友情ってのは、案外、必死な表情があって、腰が引けていたような気もするぜ。とてもとても、韜晦を気取る余裕は無かったんじゃぁねえのかなぁ。
 どうも、俺は好色一代男と呼ばれた昭和の作家のイチモツを見てしまったらしいにゃぁ。先日、また上野毛に出かけて吉行邸を垣間見てみた。心中で浮かぶあれこれは、若い頃とはまた別なところにあった。
吉行淳之介・宮城まり子邸(1月31日)。
 以前は愛用と思しきBMWが左の陰に停めてあった。先日はもう車の出入りする形跡は無かった。

追記
発売は3月。お楽しみに。
| 10随想 | 06:36 | comments(1) | trackbacks(0)
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コメント
吉行に興味が出てきていろいろ漁ってる同世代のOZと申します。
某誌バックナンバーを入手し読ませていただきました。
代表作に仮託して書かれたと推論されているあのTMとYFの件は
実際にあったとお考えなんですよね?
| OZ | 2014/10/29 8:54 PM |
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