岡田純良帝國小倉日記

秋来る――栗とチキンのコニャック煮。
10月20日
秋来る――栗とチキンのコニャック煮。
 栗とチキンのコニャック煮、元のレシピはフランス料理の「プーレ・オ・コニャック」で、コニャックの代わりに、日本ではブランデーを使うこともあるが、コニャックの方が圧倒的にうまい。
 こういうブツが食卓に上がるようになるともう秋も随分深まってきた感がある。我が家では何時の間にかフランス料理が増えたわけだワイナリー。
 英国の離脱交渉が大詰めに来ているけれど、どう考えたって、大陸側は腹を立てていて、勝手にしたら?、というのが素直な感情だろうに、イギリス人はしゃあしゃあと自分たちの正統性を述べ立て、ソフト・ランディングを主張して憚らない。かなり恥ずかしい状況なのだが、強弁し続ける。まぁ、それが国際標準なんだけれども。

20181014 チキンと栗のコニャック煮 (掲載).jpg

 自説を曲げない態度は英連邦の生まれ育ちの人たちに共通するもので、彼らの図々しさは第3者にしてみると滑稽なほどなのだが、そんなこと、彼らはお気付きにならない。お気付きになっても、知らない振りをしているのだ。
 ラブレーの伝統のあるフランス人からすると、「うんこみたいな料理を召し上がっているイギリスの紳士淑女方は、英仏海峡からあっち、大西洋のおしっこの向こうに、そのジンとウィスキーのしみだらけの島ごと帆かけて移住してくれないか知らんオホホホホホ」と軽口を叩きながら美味いワインをガブ呑みしているのだろう。
 俺もフランス人に献杯。

20171023 鳥と栗のコニャック煮 (掲載2).jpg

 こちらは昨年10月23日にやっている「プーレ・オ・コニャック」だが、テーブルが1年前とでは変わっちまったのと、ソテーパンも、今はストーブが多いのかな。
 昨日は呉地方から訃報が届き、俺は今年だけで身内を3人喪ったことになる。母娘はすでに羽田で搭乗待ちである。
 1年という年月も、あっという間に経ち、いよよ秋が深まっていくというわけだ。昨年の10月に日本に戻ったのは、まぁ悪くはなかったということになる。
| 7喰う | 14:10 | comments(0) | trackbacks(0)
もち米で一食に――粽ランチも良し。
9月24日
もち米で一食に――粽ランチも良し。
 粽を買ってきてこうして野菜を添えれば、立派に一食になる。粽ランチもまた良しだ。

20180916 粽のランチ (1).JPG

 台北だと小籠包、肉饅、焼餅、水煎包、蘿蔔糕、油條、もち米の飯糰、そして粽、それに蛋餅かな。
 これらを取って、培根(ベーコン)、火腿(ハム)、菜圃(切り干し大根)、玉米(トウモロコシ)、起司(チーズ)、豬排(焼豚)なんかを適宜トッピングするわけよ。
 こいうブツと健康飲料の豆漿と一緒にグイとやれば今日も朝からバッチコイ!でありまする。台北に行きたいな。国交回復しないか知らん。


追記
日本経済新聞にやっと今回の北電の件で大人の記事が出ましたなぁ。ガキじゃあるまいし、下らないテレビ番組など消して、ここはじっくり考えて欲しいけれど、「大人になったらしたいこと」のお国柄。やれんわい。幾つになったら国益を損なう愚行を止めてくれるか知らん。全文備忘録に引いておきたい。

動かぬ原発、老朽火力頼み 思考停止が大規模停電招く
エネルギー日本の選択 北海道地震が問う危機(上)
北海道地震 政策研究 経済 2018/9/24 1:31日本経済新聞 電子版
 6日午前3時すぎ、緊急地震速報のアラームがなった。「震源は苫東厚真火力発電所に近い」。この情報に北海道電力の社員は身構えた。今の北海道電にとって苫東厚真の役割が重いことを知っていたからだ。
 北海道全域で295万戸が停電するブラックアウト。最大の原因は発電能力の過度な集中だった。電力供給の約半分を出力165万キロワットの苫東厚真火力が一手に背負う。砂上の楼閣のようなアンバランスがなぜ放置されていたのか。
 「泊原発が最優先だった」。電力関係者は指摘する。207万キロワットの出力をもちながら停止中の泊原発が再稼働すれば供給が安定するのは確か。問題は安全審査の通過が見通せず再稼働時期がまったくわからないのに、現実を直視した対策を打たなかったことだ。
 北海道電は18年3月期までの5年間で発電所に3738億円を投資したが、約5割の1887億円は泊原発にあてた。再稼働に向けた工事を優先し、他の発電所への投資は後回しになった。当然、全体の電源バランスの改善は進まない。
 投資が偏ればコストにも跳ね返る。新設がないと効率の悪い老朽設備を動かさざるを得ない。北海道電の料金は全国で最も高い水準になり顧客は新電力に流出。収益が悪化し投資余力が落ちる悪循環に陥った。
 東日本大震災後に原発が停止し、電力供給の将来像が描けない。思考停止が危機を招くリスクは北海道地震でもろくも露呈した。「大きな離島のようなもの」。他の電力大手からは北海道は特殊との声もあがるが決して他人事ではない。
 国内の電源構成は原子力の割合が東日本大震災前の3割弱からほぼゼロになった。その代わり火力発電が6割から8割強となって依存度が上がった。しかも火力は東京電力では東京湾、中部電力では伊勢湾周辺などに集中している。
 老朽化も深刻だ。電力大手の火力の運転年数は平均30年。「老朽」とされる40年以上の割合は23%に達する。南海トラフ地震など大災害のリスクが潜むなか北海道電以外も非常時に停電を防げる保証はない。
 国のエネルギー基本計画は30年に原子力で電源の20〜22%をまかなうとする。このために約30基の稼働が必要だが、現状は9基のみ。原発が運転可能な期間は最長60年で、新設がないと70年には原発がゼロになる。冷静に現状を踏まえなければ、いたずらに火力に依存する構図が続きかねない。
 計画では太陽光や風力といった再生可能エネルギーを主力電源としていくことも盛り込まれた。だが北海道で豊富にある再生エネを生かせなかった現実をみると将来は心もとない。
 欧州には網の目のように各国を結ぶ送電網が整備され、電力を融通し合う仕組みが機能する。大手電力が地域の送電網を独占してきた日本では送れる電力量が限られる。再生エネの普及に向けた大きな壁だ。
 原発はいつ、何基を再稼働できるかわからない。頼みの火力発電も老朽化で停止リスクを抱え、特に石炭火力は世界的な地球温暖化対策の流れのなか新設も難しい。早急に思考停止を脱し、災害にも強い電力システムの将来像を固めなければ、日本のエネルギー危機は回避できない。
| 7喰う | 15:01 | comments(0) | trackbacks(0)
焼酎時代再来――向付けで水割り。
9月20日
焼酎時代再来――向付けで水割り。
 先日、久しぶりの何も予定の無い休みになったので、家でゴロゴロ寝ていたら、呼び出しが掛かった。休んでいる人間に呼び出しをかけるとは、311以来で、しかも有事ではないのに何事か。
 結局、何のこともないのだ。俺のような有事専用の人員など馳せ参じるような緊急の話ではなかったのだ。
 「なーんだ、んぢゃ、呑みに行きましょうや」
 というわけで、ちょっと景色のいい場所まで上がって呑んだ。
 (おっ!)
 焼酎は黒糖焼酎が数種類ある。それもいいのだが、お店が出しているぐい呑みの形がいい。

古伊万里若松向付け(明治前期) (4).jpg

 ぶっかき氷を入れて、景気良く焼酎を注いでも、台付きは安定していて全く問題が無い。
 「いいですね、これ」
 「これは向付けだからホントは呑むためのものじゃないんですよ」
 「ううん、これ、譲ってくれませんか」
 「伊万里ですけど、明治前期の大したものじゃありませんし」
 「それなら是非」
 酔った勢いもあって、こうして家にやって来た。
 柄は若松なんだって。松の新芽ですね。若い絵柄がおっさんの家にやって来ました。
 蛇の目のグイ呑みに毛の生えたような安物だけど、形と大きさが落ち着いてて、酒を度々継ぎ足す必要が無い。ウッフッフッフ、だから、俺のような飲み助を安心立命の心地にさせてくれるわけ。分かるかなぁ。


追記
雨で煙る関東。気圧も低くて気持ちまで何だか暗くなっちゃうねえ。ボヨヨーン。そうそう、アナログ・プレーヤー発注するぞ〜っ!
| 7喰う | 16:21 | comments(0) | trackbacks(0)
美味いもん――稚鮎の素揚げ。
9月15日
美味いもん――稚鮎の素揚げ。
 我がチームには琵琶湖の稚鮎のような女子がおりましてなぁ――そういうと、大抵のオヂサンがどーんと身を乗り出してくるのだった。ウハハハハハハハ。
 甘露煮だとか田楽焼きだとかいろいろあるけれど――俺は素揚げか精々南蛮漬け辺りが好き。茶碗蒸しというのも美味いそうだが、どうしてそれを知っているかなんて聞くのはヤボというものよ。分かるぅ?

20180908 小鮎 (1).JPG

 そろそろ北海道から降りてくる。これから太平洋岸、いわき沖辺りまでどっと降りてくるのが秋刀魚だわいねえ。コイツのアップルビネガーってのはどうよ。コイツも白ワインが進みますわねえ。

秋刀魚のアップルビネガー (3).jpg

追記
トラメ能城さんから。皆さんやっとられますねえ。こちらは練習でけるような時間もあらへんのよ。アカンわなぁ。


一気に秋らしくなってきました。皆様、おかわりありませんでしょうか?トラメのス
ペシャルライブのお知らせをさせてください。およそ3年ぶりに日ノ出町クラブセン
セーションでのライブです。スペシャルゲストに「まがいもの」にも参加していただ
いた大森隆志さんをお迎えしてのライブです。また、いかしたR&RBand THE SHOTGUN
GROOVEも共演する2マンライブです。是非とも、遊びにお越しください。
★トラメ「まがいもの」スペシャルライブ!
・日時 2018年9月30日【日】
 Open18:30 start19:00
・場所 日ノ出町クラブセンセーション
 http://sensation-jp.com/
・出演 トラメ
    THE SHOTGUN GROOVE
(スペシャルゲスト)
    大森隆志(exサザンオールスターズ)
・料金 前売/当日 2000円/2500円
※メールにてご連絡いただけますと、前売料金でのお取り扱いとなります。皆様、是
非とも遊びにお越しください。
※鮎川誠(シーナ&ロケッツ)大森隆志(exサザンオールスターズ)も参加していた
だいたトラメの新作「まがいもの」は、Amazon/タワーレコード/HMVで、発売中で
す。是非ともお聴きください。
http://elecrecords.com/release_info
| 7喰う | 14:20 | comments(0) | trackbacks(0)
某新聞社から差し入れ――P仙に発泡酒?
9月10日
某新聞社から差し入れ――P仙に発泡酒?
 某新聞社の○○の▽▽から差し入れ。呑まない人だしねえ。しかし、その編集方針が合わない俺に差し入れして、どない?
 今後の展開が気になるところだけれど、あちらのギョーカイでは潰れる可能性も取沙汰されていますわ。こちら、売買できる資産価値は、殆ど本社土地とかそういった不動産のアセットしかないねん。
 建物の価値はそれほどもうないやろねえ。土地しかないねん。古い会社でもあるから、土地だけはあるねんな。
 
某新聞社から差し入れ。.jpg

 結局のところ、アセット・マネジメント系からしか評価されないってことは、人が価値にならないということだ。有形固定資産への貸付だったりしているわけで、コイツは厳しいわねえ。哀しいねえ。
 本人たちが如何に編集方針が高邁なものだとご高説を力み込んで語ってみたところで、評価する方は価値が無いと査定するわけなんやからねえ。厳しいで、ホンマの話。
 新聞社だけでなし、テレビ局も同じことで、昔は非人みたいな扱いだった事業部がその存在感を増しているわけ。近頃、NHKが盛んに日曜美術館と展覧会を組み合わせてやっているあの事業もその一つの表れだろう。
 浮き草稼業の悲しいところ。分かっていてやっているのか、分かっていなくてやっているのかで、そりゃあんた、大坂なおみか藤山直美かっていうくらい、違ってきまっせ。ヌホホホホホホホ(新作)。

「没後50年 藤田嗣治展」[東京都美術館].jpg
| 7喰う | 14:00 | comments(0) | trackbacks(0)
評判倒れの店――やっぱりプロの調理人に期待。
9月8日
評判倒れの店――やっぱりプロの調理人に期待。
 我が家のニンニクチキンは美味いんだけれど、中々こんな美味いもんは東京では外ではお目にかかれないもんだ。実際、名前倒れの店が多くって、喰えないよ。

20180902 フランス風おばあちゃんの(ニンニク)チキン (掲載).jpg

 先日、某所で評判の店に行ったんだ。商店街ではなくて、住宅街にポツンとある店なんだけど、鮮魚店が家で店を始めたってんだ。
 そいで、まぁ、七種盛りみたいなチンマリときれいな刺盛りが出てきたよ。
 (ぬーん)
 この刺盛りを盛った皿がキンキンに冷えている――悪い予感があったのだけれど、やっぱり。
 庖丁で捌いてからラップにかけて冷やしてんだ。香りがしねえ。こんな刺身で金を取るなんて、調理人なら絶対にやらんでしょ。恥ずかしくって。やっぱり鮮魚店の刺盛りなんだよね。許せないけれど、許したよ。魚屋のオヤジに怒ったって詮無いことよ。
 やっぱり、プロの調理人に期待。
 
20180902 某所 (掲載).jpg
| 7喰う | 17:00 | comments(0) | trackbacks(0)
続け!、アジアパスタ地獄。
9月2日
続け!、アジアパスタ地獄。
 おいらの第3の故郷、カワサキ・シチー某所の好きな店で喰ったバーミーヘンガパオ。汁無し坦々麺ってかんじ。

バーミーヘンガパオ (1).jpg

 こちらはまたまた某所のテビチそば。好きな人にはたまらんらしいけれど、ここのテビチは本格的で、本土だから気合が入っていて、言うなれば、沖縄のそばよりも沖縄らしく、テビチは本格的だったわけだよ。

20180825テビチそば.jpg

 何を言ったって、俺の身体はアジアの血が流れていて、半島から台湾、マレー半島の血が濃厚に受け継がれているのは間違いないだろう。
 奄美大島の男は恥ずかしがりで、俺が歩いていても、ヘも引っ掛けないような知らない素振り。
 (都会のヤツは関係ねえ!)
 ところが、ちょっとだけ泳いだ古仁屋から名瀬に帰ってきたら、街のおっさんの見る眼が変わった。
 「あいつ誰だっけ?」
 ってな怪訝な顔をしてやんの。おかしろいぜ。ウハハハハハハハハ。

追記
能城さんから。

酷暑の夏から秋の気配も少し感じられるようになりました。皆様、いかがお過ごしでしょうか?アメリカテキサス出身、ROXY ROCAの日本ツアーにトラメが参戦します。日本側からも川戸昌和・THE BODIES等、スペシャルなメンバーです。DJにFMヨコハマからTEZENI‼是非とも、遊びにお越しください。
ROXY ROCA JAPAN TOUR FUNK&SOUL FROM USA
・日時 2018年9月15日【土】
 開場16:00 開演16:30
・場所 横浜セブンスアベニュー
http://www2.big.or.jp/~7th/contents.html?v=2
・料金 前売3000円 当日3500円
【出演】
 NUDE TRIP 16:30
THE FRESH 17:10
トラメ  17:50
THE BODIES 18:40
川戸昌和 19:30
ROXY ROCA 20:20〜
 DJ TEZENI(FM ヨコハマ)
※メールにてご連絡いただけますと、受付にて前売を取り置きます。よろしくお願いいたします。
※追伸➡9月30日【日】日ノ出町クラブセンセーションにて、スペシャルゲストに大森隆志さん(EXサザンオールスターズ)をお迎えしてのスペシャルライブも開催されます。そちらもよろしくお願いいたします。
トラメ一同
| 7喰う | 15:58 | comments(0) | trackbacks(0)
アンタの料理で俺は泣きたい。
小倉日記’18(第二十七弾)
8月29日
アンタの料理で俺は泣きたい。
 近頃も見る夢で、幼い頃に喰ったモノが出てくることがある。どこかに俺の潜在意識が投影されている。
鮨屋で。鮨ではなく、子供向けに店で貰えるボンタン飴の箱を握っている。たいてい、ボンタン飴の箱の絵を見て、ああ、これはボンタン飴かと想うところで目がさめる。
 もう一つは缶だ。緑色の缶に入ったしじみ飴だ。これは、名高い佃煮や大和煮でなく、文字通り飴。子供に缶は開けにくくて苦労する。そこで目がさめるのである。

20180505 某所 (掲載).jpg

 さらに、目に鮮やかな小魚の乗った木製のトロ箱。イシダイ、スズメダイ、ハコフグ、キンチャクダイ、チョウチョウウオなどが数匹ずつ小分けにされている南方の魚屋の台。キジハタ、カサゴ、メジナもあったかもしれない。
 今もボンタン飴を製造しているセイカ食品は鹿児島の菓子屋だ。しじみ飴は琵琶湖畔の店。今はもうないだろう。小さな魚屋は友達の実家。切り盛りはばあさんがやっていた。全ては敦賀の半世紀前の記憶に繋がっている。

20180504 某所  (掲載).jpg

 こんな夢を見るようになったのも、ヨーロッパの大陸側の美食王国を歩いて以降だろう。底の底に残っていた幼い頃の食欲の記憶が刺戟されたのだろうと想う。
 Paris、Brussels、Bilbao、Marseille、Agrigento、Naples、Palermo、Catania、Cagliari。どの街でも日本人は大人気だった。日本語で話しかけられて、日本語で話した店もある。市場ではボディー・ランゲージでノリノリ。日本の食の文化が理解され、愛されている。
 森有正(1911-76年)や壇一雄(1912-76年)や辻邦生(1925-99年)や須賀敦子(1929-98年)や開高健(1930-89年)が歩き回っていた時代とかなり違っていることがしみじみと実感された。
 ところが、帰国してみると、である。
 逗子で電車を降りて、地元の飲み屋や立ち食い鮨屋にも寄らず、一目散に葉山の某まで行ってみた、潮騒の聞こえるようなお店で、運ばれてきた皿には気合が感じられない。

20180503 某所 (掲載).jpg

 帰宅して古そうな和食店に飛び込んでみると、切れない庖丁でぶつ切りにしたマグロとカンパチの刺身が出てきた。
 返す刀で電車で足を伸ばして「ブン・チャー・ジオ」を注文しようと意気込んで行くと、メニューにニョクマムで味はつけていないと丁寧に但し書きがあった。
 フランス料理の食堂では「カリフラワーのポタージュ」、「ゴルゴンゾーラのオムレツ」、「蜂の巣のトマト煮(トリッパ)」があると聞き、勇躍突撃したが、皿にパンチが足りなかった。
 和食でも洋食でもアジアの丼飯でも同じことだ。美味い皿には必ず素材のエネルギーと調理人の気合とが漲っている。皿に込めるエネルギーが足りず、愛が薄いようだ。
 辻静雄(1933-93年)が自宅に呼んだ時、デザートを断った開高健を叱り飛ばした話がある。開高は自身の不明を愧じた。辻のような友こそ得難い。大陸の気難しい調理人に愛された訳が分かる。愛は皿から溢れるくらいで調度いい。俺はあなたの料理で泣いてみたい。


追記
多忙過ぎてものを考える時間が無い。これではヤバイわけであるが、寝る間を惜しんで本を読むとか、泳ぐだとか、何かやらないと。旅には逃げる時間が無いから困ったもんだねえ。
| 7喰う | 06:42 | comments(0) | trackbacks(0)
奄美は島津食文化圏――旨かったモン。
8月18日
奄美は島津食文化圏――旨かったモン。
 奄美自体は島津藩政とは別の政治社会文化圏だとは感じるけれども、こと、食に関しては、必ずしも南海の島嶼の文化ばかりを色濃く受けついできただけではないと想うね。沖縄とは大きく違っていたのは食文化だ。
 当初の文化も食材の関係で混交している部分もあるけれど、まずは米食とうどん食の違いがあるだろうね。これは実に大きな違いだ。
 また、琉球はタイ米を使った泡盛文化圏だが、奄美は戦後の本土復帰時にはとうきびを使った焼酎が呑まれていたそうだが、禁じられていた砂糖を使った醸造が特例的に許可された。
 そんな歴史もあるから、奄美は泡盛と違った黒糖焼酎文化圏である。今の奄美ではとうきびから黒糖を精製しても税金の優遇制度がないので、奄美では殆ど黒糖は作られていない由。
 俺の喰ったので腰を抜かしたのは、イノシシ肉の塩焼き。レモンを振り掛けて塩と胡椒とをお好みでかけてオニオンスライスと喰った。これが黒糖焼酎とずばり合う。
 そして三元豚のばら肉のシードル煮。写真で見ての通り、東京の二倍半くらいの盛りで、こってりと旨い本格的なフレンチだった。そんな店、今の那覇にあるんかい。
 貧乏ったらしいバックパッカー向けの店や○○党支持者向けの味覚貧しいチェーン店ばかりでは島はお先真っ暗。おっとヒツレイ、つい本音らしきものがげっぷと一緒に口から出ちゃった。オホホホホホホホ。

奄美ツアー 20180816 (三元豚のバラ肉のシードル煮).jpg

 さらに、魚食のバリエーション。煮物、薫物、焼き物、そして、刺身。那覇はせいぜいグルクンの焼いたの位しかスーパーなんかでは売っていない。
 同じグルクンでも奄美まで来ると、赤うるめになって、白麹などをまぶして焼き魚にして喰ったりするのだった。
 牧志の公設市場にはたくさんの魚が売られていたけれど、いざ喰うとなると、焼く位が精々で、要するに、客には選びようがない。だから店も何も工夫はしていないのだった。
 それが、奄美では、大物から小物まで、どの魚でも「これら(キハダマグロ、ソデイカ、島タコ、カンパチ)は刺身が一番」とか「このお魚(えらぶち)は刺身でも癖があるから酢味噌で召し上がってください」とか、同じ舟盛りでも細かく指示がある。食い方に工夫がある。醤油は甘い南九州文化圏。
 「お口に合わない方にはこちら」
 それでいて苦手な向き用にキッコーマン醤油もちゃんと準備してあって心憎い。
 そして特産品のもずく酢は言うまでもないが、薄い甘酢でやるし、ちょっとした小皿も、イカ味噌、ゴーヤ味噌、魚味噌、と、細かく出てくる。 

20180815 (冬瓜と鶏肉のスープ).jpg

 面白かったのは油ソーメンで、店によって千差万別のバリエーションがある。ジャンクフードであっても、細かい何かしらの工夫が面白い。油だけの皿の店、あんかけ風の皿の店、何かしら基本などがあるわけで無し。それも店によって違う工夫があって面白かった。そーきそばみたいな妙なルールが無い。自由奔放だ。
 野菜でも、自生している野生の山菜のようなものを天ぷらにしたり、それも、塩で喰わせたり、ダシ汁を漬けさせたりと、客を飽きさせない工夫があるのだ。
 コンビニ戦争では奄美大島はファミマが進出したファミマ文化圏なのだが、個々のファミマでは近所の仕出し屋と提携して、独自の「ばくだんおにぎり」や「スパムにぎり(スパムサンドのおにぎり)」「カレーパン」などの惣菜を作り、近在同士で競っている。
 さらにスープ。冬瓜と鶏肉のスープは某民宿で頂いたが、鶏肉のダシがしっかりと出ていて旨い。これは例の奄美名物の鶏飯では、鶏のガラで煮出した鶏ガラスープだったのと違っていて、そういう細かい、ちょっとした工夫にはキラッと光る心遣いがあって、行く先々で涙が出た。
 名物のイカ墨のスープも、俺は、味噌か麹をベースにしたスープだと想うのだが、忘れられない味だった。日本でイカ墨を使ったスープは他に聞いたことはないが、これを南イタリアの連中に喰わせたら、
 「俺んところはもっとニンニクとトマトを入れてこってりさせるな」
 なあんて憎まれ口を叩きながら旨そうに喰うと想う。
 奄美は自民党が強い。これも大きな違いだろう。それと、物腰丁寧で、礼儀正しく、約束を律儀に守る。
 「時間を守りましょう」
 那覇市民憲章にうたわれている世界とは大違い。鹿児島県内だから、これほど沖縄県民と違っているのかねえ。
 俺の親戚はどちらにもいる。だが、嘆くのは沖縄の身内。選挙が来ると頭が痛いってこぼすわけさぁ。秋の沖縄県知事選、どうなるかね。沖縄の見識が問われているぜ。さて、はて。

奄美ツアー 20180816 (イカ墨のスープ).jpg
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香港の普洱茶。
8月2日
香港の普洱茶。
 もう8月である。身体がまずは基本の基本の資本なので、本日も暑さに負けずに「シャリ詰め」(by 矢吹ジョー)を。諸兄姐、喰うべし。
 「シャリ詰め」よりもずっとずっとパワフルなキーフレーズを漱石の口から発見したのだけれど、これの紹介は何れ別稿にて。あの漱石が?、というくらいのパワフルさだ。江戸っ子のユーモアがいい。

卵掛け御飯と香港のティーバッグで入れた普洱茶。
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