岡田純良帝國小倉日記

事件現場はあの人の育った家の隣のブロック。
7月21日
事件現場はあの人の育った家の隣のブロック。
 6月20日付けの「the Guardian」の航空写真。右下にFinsbury Parkの駅。中心部左斜め上から右下にかけてHigh Streetが走っていて、犯人の車は上から降りてきて、直ぐ右側に黒い矢印で示した通り群集に突っ込んで行った。
 
the Guardian 20170620 (掲載).jpg

 赤い矢印を書き加えてあるのは、多分、この矢印の先辺りに、あのJonny Rottenが育った家があるからなんだよ。彼は写真にある高層のCoucil Flatの裏手で育ったわけ。
 無論、Coucil Schemeの集合住宅のあるブロックで、今は建物も横に建て増しされ、彼が育った当時そのままの姿はとどめていないのだけれど。
 20歳の時に家を出て、Sid Viciousの暮らしていたHampsteadのFlatに転がり込むまで、この辺りで育ったわけだ。だからきっとそれを知ったら何か発言するんだろうと想うけれどな。すげえ近くだよ。隣だもん。

      Johnny Rotten & Sid Vicious.jpg

 犯人はわざわざ遠く南ウェールズからバンを飛ばしてやってきたわけだろう。こんなこと、ホントに起きるなんて信じられない。無差別の報復と無差別の報復の応酬では、もう、一般の人間は暮らしていけないじゃないか。
 政治が不安定になっていて、ちょっとヤバイ雰囲気が出てきた。現政権が投げ出したりすると、誰がこの混乱した社会の舵取りのために火中の栗を拾うだろうか。
 八方塞の雰囲気の中で、やたらめったら気温だけは高いわだよな。LAとかBahamaよりも気温が高いってさ。そいでBurusselsではEUとの「離婚交渉」が始まった。
 離婚の慰謝料の話はお互いにまず先送りにして、具体論から進めましょう、というお互いの冒頭発言で始まった。まぁ、最期は金でしょう。金で揉める時には誰が政権を担っているか。誰も担いたくないんだろうな、今の政界で。
| 8音楽 | 06:47 | comments(0) | trackbacks(0)
やっぱりいいね、サイのマークのあのお店。
6月15日
やっぱりいいね、サイのマークのあのお店。
 当たりでした。やっぱり、Rhino Recordsだからねえ。Take違いのOut Takeとか、Liveにしているとか、ビミョーなところが手が込んでいる。2015年に出たこのセットに続いて第2号も出ているから、こっちも買っちゃいそうだな。

      「Mod Anthems」 3CD Set.JPG

Disc: 01
Track: 01 - Green Onions • Track: 02 - You Really Got Me • Track: 03 - In the Midnight Hour • Track: 04 - Guns of Navarone • Track: 05 - Last Night • Track: 06 - I'm Gonna Run Away from You • Track: 07 - Respect • Track: 08 - Nothing Can Stop Me • Track: 09 - What'cha Gonna Do About It • Track: 10 - Mercy, Mercy • Track: 11 - Seventh Son • Track: 12 - Comin' Home Baby • Track: 13 - My Girl Sloopy • Track: 14 - If You Don't Come Back • Track: 15 - Blazing Fire • Track: 16 - I'm in the Mood for Ska (Aka I'm in the Mood for Love) • Track: 17 - Walking the Dog • Track: 18 - What'd I Say, Part 1 • Track: 19 - Some Other Guy • Track: 20 - Everybody Needs Somebody to Love • Track: 21 - Candy • Track: 22 - Chain of Fools • Track: 23 - You Forgot How to Love • Track: 24 - Walkin' Up a One Way Street • Track: 25 - You Said You Loved Me • Track: 26 - Just Say Goodbye • Track: 27 - Walk On By

Yhe Who (1).jpg
 Modsのコアにこのバンドがいることは、薄々感じていたけれど、こちらに来てからは
 確信に変わりましたね。だけど、彼らが凄いというよりも、彼らのようなバンドマン
 たちが折に触れて聴いていた音楽が、例えばこのコンピレーションで、それが凄いと
 想うようになった。彼らは演らなかったけど、スカ、ブルー・ビートも入っている。

Disc: 02
Track: 01 - You're Ready Now • Track: 02 - Cool Jerk • Track: 03 - Crazy Baby • Track: 04 - Sweet Soul Music • Track: 05 - I'll Keep Holding On • Track: 06 - Making Time • Track: 07 - Hold On (I'm Coming) (Mono) • Track: 08 - Sock It to 'Em J.B. • Track: 09 - 0.0.7 (Shanty Town) • Track: 10 - Knucklehead • Track: 11 - Memphis Soul Stew • Track: 12 - You Don't Know Like I Know • Track: 13 - See Saw • Track: 14 - Number One in Your Heart • Track: 15 - I'll Do Anything • Track: 16 - Skiing in the Snow • Track: 17 - I Can't Break the News to Myself • Track: 18 - Somebody (Somewhere) Needs Me • Track: 19 - Love Makes the World Go Round • Track: 20 - Heart of a Child • Track: 21 - The Sidewinder • Track: 22 - Making Love After Hours • Track: 23 - Can't You See (You're Losing Me) • Track: 24 - I Got My Baby Back • Track: 25 - Open the Door to Your Heart • Track: 26 - Mr. Creator • Track: 27 - I'll Be Loving You

The Who (2).jpg
 キース・ムーンは酒と薬物で肝臓が肥大化して全身も顔もむくんでしまう前の顔だ。
 この素顔もいいですわなあ。フレッド・ペリーのジャンパーだとか、完璧なモッズの
 スタイルですわね、4人全員が。
 こちらの17歳頃は、アメリカ海兵隊の放出品のパーカー。俺のトレードマークで、
 随分、そのモッズ・コートを譲ってくれってねだられたっけ。今は遠い昔の話。

Disc: 03
Track: 01 - Here I Go Again • Track: 02 - Seven Days Too Long • Track: 03 - You Hit Me (Right Where It Hurt Me) • Track: 04 - Everything's Tuesday • Track: 05 - Ain't Nothing But a House Party • Track: 06 - Ali Baba • Track: 07 - Big Bird • Track: 08 - You're Losing Me • Track: 09 - Liquidator • Track: 10 - Looking for a Fox • Track: 11 - Some Kind of Wonderful • Track: 12 - My Heart Needs a Break • Track: 13 - Angel Baby (Don't You Ever Leave Me) • Track: 14 - Got to Find a Way • Track: 15 - Long Shot Kick De Bucket • Track: 16 - The Return of the Prodigal Son • Track: 17 - Compared to What • Track: 18 - Girl, You're My Kind of People • Track: 19 - Take Your Love and Run • Track: 20 - Something New to Do • Track: 21 - Both Ends Against the Middle • Track: 22 - Please Operator • Track: 23 - Kiss My Love Goodbye • Track: 24 - Fragile, Handle With Care • Track: 25 - You Got to Pay Your Dues • Track: 26 - I'm So Happy
| 8音楽 | 15:26 | comments(0) | trackbacks(0)
ご近所にあの男も。
6月11日
ご近所にあの男も。
 Sicilian Tourの後は引越しの準備と引越し・後片付けで、その後、東京との弾丸往復。帰国し、ようやくひとまず一段落した。今日は気分的には引越し初日という感じ。幸い、雨の予報が変わり、晴天にも恵まれた。
 ご近所散策で今日は珍しくPotbello Road周辺に。久々にRough Tradeへ。店の滞在時間は5分位だったが、4枚のCDセットを買い合計140曲分ゲット。2)などは殆どの音源は持っているのだけれど、そーいう問題じゃないわけよ。

 1)CHUCK (Chuck Berry)
 2)Mod Anthem (Various)3毎組
 3)Nothing But House Party(Tge Birth of The Philly Sound) (Various)
 4)Tony Joe White Featuring Pork Salad Annie

 9日に下北沢のCLUB 251で柴山俊之さんの70回目の誕生パーティーがあったわけだけれど、この日、会場でかかっている曲が何時もの柴山さんの選挙区ではないことに入って直ぐに気付いた。
 (あれれ)
 DJブースにいるのはPrivatesの延原達治のようだ。
 (おっ?)
 Tony Joe Whiteの「Pork Salada Annie」をかけてて、日本で聴いたのは初めてだったこともあり、さらに、音源は持っているが、Tony Joe WhiteのCDは持っていなかったことも手伝って、結局、帰国してこうして買ってしまった。
 「Road House Blues」のような曲もかけていて、ちょっと外すのも俺たちの世代らしいのかな。とにかくでかかっていた曲はお馴染みの曲ばかりで、延原は同学年だからか、普段から聴いている(であろう)音楽が殆ど同じで親近感が湧いた。それもあって勢いがついたんだろう。
 1)は買う気でいったのだけど、2)も3)も全く想定外だった。

Glen Matlock in 2016.jpg

 Rough Tradeの後、ブラブラと遅い昼飯を喰いに駅の方まで歩く。
 (おっ、Glen)
 「Glen?」
 声を掛けると御名答。
 「あれ?」
 「アンタと去年図書館で立ち話したでしょ」
 「あああん時の」
 握手をする。
 「近くに住んでんの」
 「ああ、すぐ近くさ」
 「引っ越してきたのかい?」
 「つい最近移って来たんだ」
 「俺は電球が切れちまって交換に」
 手に持った小さなバルブを俺に見せて笑った。
 「じゃまたね」
 駅前の某店の前。近頃気に入っているスペイン飯屋のド真ん前だった。
 Mickyの次がCookyで、今度はGlenというわけで、ご近所にフツーに歩いているので、いやはやドーモだ。これでは俺もすっかりヤキが回っちまいそうだぜ。
 
| 8音楽 | 03:03 | comments(0) | trackbacks(0)
買う人、おるけ?
6月6ヒ
買う人、おるけ?
 イギリス初版の1958年盤が近所で出ている。650£だって。今日のレートなら92,300円。うーん、俺は買えないな。だけど、お求めの方がおられるなら手を打つよ。
 それと、俺の乗っていたクルマは、最も高価だったので17年前の1万ドル。つまり、100万円ですけえ。今なら新車買えねえからなあ。勘違いせんようにしとくんなはれ。

「Elvis Presley登場」(1956)ジャケット.jpg


 雨の当地。どうしてこういう日に夕べから本格的な雨になるかねえ。最近、降られてばっかり。子供の頃は晴れ男だったのになあ。
 さて、これから一仕事。それからパッキング確認して、ウンコして、出立。ウンコは余計?
| 8音楽 | 15:15 | comments(0) | trackbacks(0)
倫敦市内にて遺作の予告広告が掲出開始。
6月1日
倫敦市内にて遺作の予告広告が掲出開始。
 俺の乗換駅として使っていたBaker Street駅構内でこの広告を発見。カッコイイねえ。90歳で死んだ人の遺作を、広告にして出す行為が、メッセージになっている。シビレるねえ。
 発売初日は柴山俊之さんの70歳の誕生日。俺は下北沢のClub251におりますが、何か?

     CHUCK!(遺作広告掲出開始)20170531 London市内で(3).jpg
| 8音楽 | 03:22 | comments(0) | trackbacks(0)
芸域拡げ、胃拡張に。
4月22日
芸域拡げ、胃拡張に。
 昨晩はCaetano VelosoをBarbican Centreまで。某所にて○○の後だった。
 軍事政権に抵抗して60年代末から70年代にかけてLondonに亡命して暮らしていたような人だったから、Londonにはそれなりに支持者がいるのだろう。
 半世紀近い活動の歴史がある人には持ち歌が多いから、後半は老女たちの大合唱になって、2千人のホールは老女の女(熟女も、との指摘あり)の人いきれムンムンって感じでしたなぁ。
 それにしても、日本と違って音がいいのは、どうも、220Vの電圧が基本的にあるみたいだな。随分前に、Londonで録音した後に、佐藤シンイチロウが気候のせいかもと言ってたけど、湿度は高いからね。
 俺の真後ろのおばあさんは最初から最後までカナキリ声を上げて、アンコール前には息が切れてゼイゼイしてて、しまいにはノドが枯れてむせてましたな。

20170421 Caetano Veloso Live@Barbican Center (1).jpg

 先日は45cmほどもある特大のカレイを調達してオーブンで焼いて喰ってみました。1日では喰いきれず2日に分けて喰ったわい。日本のカレイと比較すると大味だけれど、独特の風味はあるわね。
 大根を買ってきて、おろして和えてやってみたけれど、大根は風味が無くて辛味も無いわけだ。これが辛かった。
 Londonで客に相談を受けて店を紹介したら、これが大いに受けたらしく、株が上がったねえ。こういう株ってのはマーケット価格での騰落がないものだから、信用度が上がったということでもある。
 こっちのお役人を連れて行ったらビックリしていたって鼻を高くしていたから、ソイツは良かったわいねえ。ま、今、Forsythの自伝で、如何に当地の外務省・外交官・高等弁務官の実態が酷かったかってことを学んでいるわけ。
 つぶさに彼らの実態に触れ、その謦咳に接してみると恐ろしいものがある。いまだにその悪しき伝統を引きずっている連中がいるわけだよ。民間も同じだけど。俺はそういうタイプの連中と合わず、これまで2度、殺されかかった。
 俺は何もしてないのに、そういう人間は憎んで仕掛けてくるからねえ。今もヤブから竹やりが飛び出してきて足をすくわれそうになっているわけ。

Whole Brill 45cm (1).JPG
| 8音楽 | 16:45 | comments(0) | trackbacks(0)
Punk40周年を過ぎて。
4月10日
Punk40周年を過ぎて。
 昨年はPunk40周年行事が目白押しだったわけだが、今年は、その点ではすっかり静かになって落ち着いてしまっている。
 先日、Royal Philharmonic OrchestraがPunkの代表的な曲をCoverしたのだけれど、Sex Pistolsからは「Pretty Vacant」が選ばれていたっての、どうよ。

https://youtu.be/Q3xWT3DXyHs

 ちっとも面白くないんだけどねえ。このアレンジは。そもそも、ちょっとPunkとOrchestrationは相性が悪いわね。無理があるような気がしますわねえ。

Adrian Boots at Proud Galleries (掲載1).jpg

 年明けまで続いていたのがこちらのAdrian Bootsの写真展だったのだけれど、高くて手が出ませんでした。今や、Rock Classicの写真は一部で投機対象になってしまっている。まぁ、買っても飾っておくスペースが無いってのが。まぁ、見えるところに置かなければ持ち腐れの死蔵品になってしまうわけだけどねえ。
 Sex Pistolsも全員還暦を超えて、これから徐々に退場していくのだろう。先日のChuck Berryの卒寿での大往生を見せ付けられて、健康年齢を引っ張り上げることが大切だと想いましたな。
 だから、ダラダラ長生きするよりも、健康であることが大切だと想うねえ。吉田健一流に行くかねえ。David BowieもChuck Berryのように死ぬ直前まで精一杯生きようとしていたわけだからねえ。

Adrian Boots at Proud Galleries (掲載3).jpg

 吉祥寺の「disk union」が定点観測地点になってんだけど、つい関口弘センセイ監修の名著、「Garage Punk」本を衝動買いしてしまった。持ってる本なんだけど、Londonで暮らしに飽きないための知恵だわい。オホホホホホホ。
 一冊は我が家の保存用で、もう一冊はフィールド・ワークでCamdenだとか各地に出没する時に携行するためのものにする。左側が2刷、右側が3刷。同じ内容だけど、結構、売れたんだろうなあ。
 我が家の近所の某レコード屋にもSTOMPIN' RIFFRAFFSのような日本のバンドのCDが置いてあって、ずっとこの線がまた気になるようになってきた。
 関口さんはFrathop Records(http://shop.frathoprecords.com/)を主催されているんだけれど、このセンセイには随分と教えて貰ったワイ。どこで仕入れるのかというほど奥深くまで入り込んでおられますわなあ。わいは深く深く感謝しとりますでぇ。
 まぁ、こちらの暮らしに飽きないための浅知恵ではあるんだけども、こういうオタクの道を邁進していくと、また新しい刺激を受けるはずだしねえ。日本に帰ったらバンドやるべえとか、イベント行くべえだとか、またまた色々と妄想が膨らむかも知れないし。
 しかしGarage Punkの世界は奥が深い。世界中に拡がっているからねえ。分け入っても分け入っても深い山だわ。まぁ、今後のお楽しみ。

「Garage Punk」2冊。.jpg


追記
これから風呂に入り、ちょっとだけ寝るか。いやいや、参ったなあ。時差ボケ、狂いまくりだわい。
| 8音楽 | 13:20 | comments(0) | trackbacks(0)
お得な日本盤と役得な2人。
4月9日
お得な日本盤と役得な2人。
 起きてしまったこの時間。当地は深夜2時でありまする。
 アクビ娘に受け取りをお願いしておいたのがChuck Berryの古いアルバムで、日本編集のボーナストラックの入った数年前に出た「The London Chuck Berry Sessions」(Chess Recors)だった。
 元々8曲入りのレコードだったのだが、こちらにはさらにそこに日本で新たに別の8曲が追加されていて、合計16曲入りというお得なアルバムに仕上がっている。
 さっきPCに入れて大音量で聞いた。久々の音源もあってか、最高、最高、最高だ!

The London Chuck Berry Sessions (Japan Version).jpg


 こちらは大西洋を挟んだ両国のAlmost GrownなWhite Kidsに挟まれた御大。サックス吹きとドラマーはこの老いて小柄になってしまったスーパーマリオみたいな黒人が誰なのか、ちゃんと、分かっている。
 日本でもGracelandまで行った総理大臣がいたけれど、引退して菅直人と歩調を合わせてからその馬脚を現わした。ポピュリズムですね。見掛け倒しでしょ。偽者だわ、その横須賀のチャライじいさんは。
 ロックンロールを好きと言うなら、その根性が問われる。好きと言うなら骨を見せなければ。その点ではこちらの2人の“子供大人のような大統領と首相”は満腔の少年のような笑顔で骨を見せた。アジアはまだまだだ。

Chuck Berry (9).jpg
| 8音楽 | 09:59 | comments(0) | trackbacks(0)
人類が滅亡しても残るChuck Berryの「Johnny B Goode」。
4月5日
人類が滅亡しても残るChuck Berryの「Johnny B Goode」。
 3月17日の逝去後、世界中でCarl Sagan(1934-1996年)のレターが駆け巡っている。「Cosmos」と「Contact」で世界的に名を知られる天文学者で、彼の業績に因み、火星基地はその名を冠している。
 この人はアメリカでとても人気があり、とりわけ、子供たちからは絶大な支持があった。難しい天文学を解りやすい言葉で示したことがあるだろう。
 日本では、科学の広報活動についてはようやく緒に付いたところで、相変わらず理系・文系の垣根が取れない。俺などは頭の硬い理工系のオヂサンのわがままに悩まされ続けた人生だったわけだ。
 その点、アメリカの場合には理系・文系の垣根は低く、哲学の修士号を持っている人が医者だったりすることは珍しいことではない。イギリスは意外にも垣根はある点で日本と似ているかも知れない。
 近頃、少子高齢化の中で、人材流動性を上げることを考えているわけだが、これに加え、理系・文系の垣根を取り払うように科学側からどんどん広報すべきだろう。

Chuck Berry (6).jpg

 口惜しいけれども、アメリカはCarl Saganのような科学者によって、日本の今よりも半世紀ほど先を行っている。
「自分の立てた仮説でも執着しないこと。仮説を立てることは知識を手に入れるための  
 通過点に過ぎない。なぜその論が気に入ったのか自問し、他と公平に比較してみよう」
 彼が偉かったのは、科学的な考え方を示したことで、しかも、その考え方はこれまでになく柔軟で受け入れやすいものだったことだ。
 自説を常に疑えと説き、宗教を疑い、先人科学者が宗教的視点に惑わされたと批判した。地球は点に過ぎず、大きな観点から物を考えろと説き、「あなたがそれをやらなければ、誰か他の人がやるだろう」と若い人々を煽った。
 人気者であったため、科学界・学術の世界から批判された毀誉褒貶相半ばする人だった。しかしこれはどうだろう。Chuck Berry宛てのレター。Carl Saganと共に3番目の妻のAnn Druyanの名前とサインがある。彼女は映画の「Contact」の原作者でもあり、夫婦の共著もある。

Chuck Berry Voyager.jpg

 「親愛なるChuck Berry、
 人々が貴殿の音楽は永遠に生き続けると言うと、貴殿は大げさだと感じてるようですが、『Johnny B Goode』はNASAの宇宙船、Voyager号に載せたゴールデン・レコードに収録されました。地球から20億マイル離れた宇宙に向かって旅をしています。収録をしたこれらの記録は10億年以上は存在します。
 貴殿が“この”世界にこの音楽を与えて下さったことを賞賛しつつ、還暦を迎えられたことを祝福します。
 Go Johnny, go.」
 Jimmy Carterの治世だった70年代末に計画され、実施された本計画はCarl Saganを中心に進められたもので、有人宇宙飛行ではなく、無人の飛行船に地球外の生物に向けた、人類からのメッセージと記録を載せるものだった。
 オーストリアのモーツアルト(魔笛)やベートーベン(第5番第1楽章)のクラシック音楽に混じり、Chuck BerryとBlind Willy Johnsonの「Dark Was the Night, Cold Was the Ground」が収められた。
 打ち上げ後、10年も経って書かれたレターだが、こういう気の効いたことをするから、Carl Saganは人気があった。日本の科学者でこんな気の効いたことをする人はこれまでは出なかった。これからに期待したい。
 Carl Saganは宗教に懐疑的だったが、主張には夢がある。輪廻も信じなかったが、一方、テレパシーや、幼児の前世記憶説は全く根拠が無いものとして排除することはなかった。ゴールデン・レコードには次のように記されている。
「小さな遠い世界からのプレゼントで、我々の音・科学・画像・音楽・考え・感じ方を表したものです。私たちの死後も、本記録だけは生き延び、皆さんの元に届くことで、皆さんの想像の中に再び私たちがよみがえることができれば幸いです」
 Jimmy Carterの名前とサインが入っている。能天気でお節介焼きだった若い国家は、それから30年も経つと、世の中も変わり、彼らにも精神的な余裕が無くなったようだ。Carl Saganが亡くなって20年以上が経って、Chuck Berryもとうとう世を去った。


追記
ボブディランが遅ればせながらのノーベル賞の授賞式で何か言うかと思ったら何も言わなかった。残念だなあ。
鮎川誠さんにインタビューを取りに行って、かなり楽しい話が聞けたというので、とても嬉しくなった。鮎川さんではなければ、冨士夫くらいだろうから。このラインは中々簡単なようで難しい。チャックは大柄で運動神経と身体能力が抜群に発達していた。2人足して割るとチャックって感じかなおと思います。この人の本気を出した時の音とリズムは、結局のところ記録としてはロンドンレコーディング辺りで聴けるくらいのものしか残っていない。ミディアムテンポで、ガリガリザクザク、アンプから、直接、熱くて太い風圧が感じられた。こうして書いていて、偉大さだけで泣けてくる偉大さ。20世紀の偉人が消えましたわな。
| 8音楽 | 05:01 | comments(0) | trackbacks(0)
牛乳屋さん、元気かな――Elvis Presleyと昭和。
3月24日
牛乳屋さん、元気かな――Elvis Presleyと昭和。
 昭和58年(1983年)には、世田谷4丁目にあった祖母の家に住んでいた叔父一家の所に転がり込んで半年近く暮らしていたことがある。
 夏は「Mobil」ブランドでガソリン・スタンドをやっていた冨士鉱油でバイトをしていて、小田急の梅ヶ丘駅前の店の親方が出入りするから顔見知りになった。
 今では大看板になってしまった駅前の「美登利寿司」で鹿児島から就職したヤマちゃんが出前持ちをやっていた頃。しょっちゅうヤマちゃんはスタンドの前でウィリーを決めた。50ccのスーパーカブが可哀想だった。
 上客では、荒木一郎がいて、電話があると店長が出向いてキーを預り、車をスタンドに持ち込んだ。俺は真っ赤なコルベット・スティングレーをよく磨いた。
 その頃の梅ヶ丘駅前商店街の人はまばらだったけれど「玉田表具店」のオヂサンが元気で、「松井寝具店」も店を開けていた。

「Elvis Presley登場」(1956)ジャケット.jpg

 「モスバーガー」梅ヶ丘店は今と場所が違っていて小さな店で、イートインなどはできず、テイクアウトのみのカウンターだけだった。
 そんな中に、通称、「牛乳屋」と呼ばれていたのが山田さん。「武蔵牛乳店」という看板は出していたが、もう、昭和の終わりには、牛乳は配達する時代ではなくなりつつあった。だからかどうか、牛乳屋さんの息子は何時も店の中で暇そうにしていた。
 痩せて背が高く、どこか、若い。結婚していなかったんだろう。所帯臭さが無いのだが、それが頼り無さにもつながった。今は珍しくはないのだが、40代独身ってのは、カタギの世界では少なかったから目立ったんだろう。
 「あの人は古いレコード一杯持ってんだよ」
 ある日、スタンドに来る商店街のお客さんに聞いて、牛乳屋さんのところに顔を出した。
 「実はElvisのレコード持っているって聞いたんで」
 牛乳屋さんは嬉しそうな表情になって、2階の自分の部屋からレコードを持って降りてきた。戦前の2階屋だから自室ってのは畳敷きなんだよ。通りからその姿が見えるわけだ。

Elvis Presley (1)

 「これだけあるんだ」
 面白いことに、牛乳屋さんのコレクションはどれもElvis Presleyの初期の邦盤だった。10インチの変形アナログ盤「エルビス登場!」も「King Creole」も「50,000,000Elvis Fan Can’t Be Wrong」も含まれていたようだ。我が家には「Elvis Golden Records」はあったが、最初期の音源は聴いたことが無かった。
 「Elvisは入隊前が最高だよね」
 牛乳屋さんは力説した。色々とRCA時代のアナログ盤を持っていたわけだ。
 「俺が中学生の頃なんだけどさ」
 中学で1,500円もしたレコードを集めていたんだから、梅ヶ丘の牛乳屋は昭和30年代には羽振りが良かったというわけなんだろう。
 今なら俺が大学生にピストルズのアナログ盤を貸すようなものかな。俺は薀蓄を言ってしまいそうだ。クワバラ、クワバラ。
 Chuck Berryのことを書くことは、Guitaristの誕生を書くことでもあるから、同時期、世界を席巻したElvis PresleyとScotty Moore(1931-2016年)のことを調べていて、結局、こういうPlay Listを作っちゃった。「From Elvis in Memphis」と初期のミックスになる。
 昭和も遠くなりにけりだ。牛乳屋さんが元気なら、もう還暦は過ぎているだろうなぁ。帰国したら梅ヶ丘にまた行ってみようか知らん。

          岡田純良のPlay List for Elvis Presley 
            1. Wearin' That Loved On Look
            2. Hound Dog
            3. I'll Hold You in My Heart
            4. A Big Hunk O' Love
            5. Burning Love
            6. Blue Suede Shoes
            7. Suspicious Minds
            8. Good Rockin' Tonight
            9. I Need Your Love Tonight
            10. Don't Be Cruel
            11. Heartbreak Hotel
            12. Jailhouse Rock
            13. Milk Cow Blues
            14. Any Day Now
            15. (Now and Then There's) A Fool Such as I
            16. After Loving You
            17. One Night of Sin
            18. In the Ghetto
            19. Gentle on My Mind
            20. Hard Headed Woman
            21. (Let Me Be Your) Teddy Bear
            22. All Shook Up
            23. Mystery Train
            24. Return to Sender
            25. That's All Right
            26. Blue Moon of Kentucky
            27. Don't Be Cruel
            28. I Want You, I Need You, I Love You
            29. Maybellene [#][Live]
            30. Crawfish


追記
上記30は「King Creole」冒頭で使われたんだけど、こちらがジョニー・サンダースにかかるとまたまた感じが違って。そういう連環もRock 'n' Rollは面白いわねえ。Chuck Berryの追悼文は書き終われない。日々事件が起きていてさ。ま、締め切り次第ってことだ。
そうそう、Chuck Berryの「Big Boys」に参加していたNathaniel Rateliffが組んだThe Night Sweatsってのは、とてもいいバンドだわねえ。ああいうの、演りたいもんだねえ。
| 8音楽 | 08:49 | comments(1) | trackbacks(0)
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