岡田純良帝國小倉日記

ユキヒョウちゃん。
3月24日
ユキヒョウちゃん
 とうとういてる間にテロが起きてしもうたロンドン。まだその全貌は分かっとらんけど物騒なことやなあ。テロが起きるとワイのバヤイはユキヒョウちゃんが思い出されるところや。
 (な〜んでか)
 おおそれみよ。
 旧ソ連領に多いユキヒョウ。きっと一生涯ワイルドなユキヒョウちゃんは見られないんだろうけれど、ワイルドなユキヒョウちゃんは見られなくともええわ。寒いし。

The Elusive Snow Leopard (1).JPG

 そいで、サンディエゴの動物園にはおったわ。それと円山動物園で繁殖に成功したいう話もあんねんなあ。ボク、ユキヒョウ好きなんやけど、この写真はぐっと来るねん。
 南方系の肉食系と違って鼻腔が小さいねん。飛ぶ時はムササビ飛びするし。

Snow Leopard.jpg

 ヒョウは人間を襲うことがあるそうやけど、ユキヒョウはそういうことはないんやてなあ。カワユイのう。まぁ、動物園で時々観るのがワイには似合っとるんやろなあ。
 足の裏にも毛が生えとんねん。そいでから長くて太い尻尾を噛むんや。カワユイのう。すりすりしたくなるのう。しかしパキスタンからカザフスタンって、中々今はいけんのう。あげなところで乱獲されてから、可哀想に。巨大な尻尾までマフラーにされてまうんやて。

| 10随想 | 15:43 | comments(0) | trackbacks(0)
French Connection.....Keep on Rockin'?
3月22日
French Connection.....Keep on Rockin'?
 Chuck Berryは世を去ったが、準備中だった「CHUCK」はレコーディングは終了していたので、予定通り発売されるとアナウンスされる見込みだ。
 しかし我々はロックし続けられるのだろうか。これで第1期のロックンロール番長は全員物故。最期の、ホンモノの生き残りだった人が去ってしまったのは哀しいことですら。淋しいことですら。
 ま、ということで、凹んでもいられない。したたかにやりたいところだぜ。ということで、今後はこれまで準備をしてきたFrench Connectionを開通させる。さらに、まずは直接手を打ってから、Sicilian Connectionも開通させる算段を付けたところ。だけど、やればやるだけこれから大変だわ。ワーヤだなあ。

  「French Connection」フライヤー。.jpg


追記
Chuck Berryの38年振りの新録、第1弾が先程配信された。音がいい。俺の言ってた生音の雰囲気が、少しでも耳から伝わるような気がしてきた。ノリノリ。いやはや最高、最高だ!!!


「Big Boys」!

(http://dualtone.com/chuck_berry)




Yes, Yes, Yes, We are little Big Boys.
Keep on Rockin'!!!!
| 10随想 | 16:19 | comments(0) | trackbacks(0)
Joe PriceとMax Hoffmanを結ぶ線は見えず。
3月22日
Joe PriceとMax Hoffmanを結ぶ線は見えず。
 3月中の日本経済新聞の「私の履歴書」は、美術収集家のJoe Price(1929年-)だったので、今年に入って色々考えることがあったので、俺にとってタイムリーで、驚いて読んできた。とりわけこちらを夢中にさせたのはJoe PriceとMax Hoffman(1904-81年)を繋いだのは、彼らを自分の顧客にしていたFrank Lloyd Wright(1867-59年)が引き合わせたのだろうという推論がどこで語られるか――しかし、それは語られず仕舞で終わりそうだ。
 先月2月8日の日記から一部を略して以下に引きたい。同じ収集家の高橋龍太郎さんの新刊本を知りあれこれ考えた時のものだった。
 「アクビ様は、親の俺と30年弱の年齢差がある。何時も感心するのがここ30年くらいの美術界の再評価・再発見の動きで、俺は彼女の言葉から伊藤若冲や葛蛇玉がJoe PriceのCorrectionをきっかけに再発見されたことを知った。

Max Hoffman and Porsche.jpg

 すでに伝説の域に達しているが、この人の日本美術との出会いはFrank Lloyd Wrighの手引きだ。New Yorkの古美術商「瀬尾商店」にWrightに連れて行かれてJoe Priceは若冲に出会うわけだが、この時の「葡萄図」の資金は親が準備した大学卒業祝いで充てた。この金はMercedes-Benz 300SLを買うために用意していた。Wrightは、「瀬尾商店」の後で、「Max Hoffman」の店に寄ってMaximilian Edwin Hoffmanを紹介してやろうと考えていたはずだ。この辺りは想像するだけでビリビリ来る話だわね。
 Max Hoffmanは、Wrightから連れて行く若者は300SLをキャッシュで購入するのは間違い無しと言われて楽しみに待っていたのに落胆したかも知れない。また、その時、Joe Price は家業の社屋をWrightに設計させていて、Max HoffmanもWrightに自宅を建てさせたのだから、3人はその場で大いに盛り上がったかも知れない。
Max Hoffmanと親しかったWrightは生涯の浪費癖があり、純血のカーキチだった」
 「私の履歴書」でJoe Price自身初のコレクションとなる「葡萄図」を買う顛末が語られたのは3月8日。しかし、この回は、Wright、「瀬尾商店」と「葡萄図」、さらにそう名指しはされないながらもMercedes-Benz 300SLは出てくる。だが、Max Hoffmanは出てこない。

日本経済新聞「私の履歴書」20170308

 つぎはぎのモンタージュ手法を使って彼の言葉を再現してみよう。
 「『セオ ストア』は大阪の古美術商、山中商会に勤めていた瀬尾梅雄氏が独立してニューヨークに開き、東洋の古美術を扱っていた。ライト氏は浮世絵を収集していたので、行きつけの一つだったのかもしれない」
 「ライト氏が浮世絵に見入っているのをよそに、店内を冷やかす私の視線を一つの掛け軸が捉えた。伊藤若冲の『葡萄図』だ」
 「ライト氏をホテルに送り届けてからも、その絵が頭から離れなかった。絵画にさして興味も覚えてこなかった私の、胸が高鳴り続けている。気がつくと再び瀬尾商店に引き返していた。あの絵が他人に買われたらどうしよう」
 「とうとうその絵を買った。600砲らいしたと思うが、正確な額は覚えていない」
 「幸い、元手は潤沢だった。私は大学の卒業祝いに高級スポーツカーを購入することを父から許されていた。ニューヨークに出たついでに買おうと心当たりを付けていた」
 「地元オクラホマ州ではなかなか扱っていない。カモメが翼を広げるように左右のドアが開くタイプのドイツ車だ」
 「スポーツカー購入は見送った。翼を広げて飛び去ったようなものだ。引き換えに気に入った絵を手に入れた。惜しいとは思わなかった」
 ここでは、その「心当たり」の説明は出てこない。残念なことに、Wrightが贔屓にしていた伝説のCar Dealer、Max Hoffmanについて触れられていないのだ。
 世界でも有数の日本美術の収集家となった人物に、換気機能を持たないため、市販したスポーツカーとしてはMercedes-Benz史上最大の失敗作と一部では語られるこのガル・ウィングを持つ300SLを、ドイツの本社まで出向き、俺が売るから売り出せと、ガンコなドイツ人を口説き落とした元・ユダヤ難民、Max Hoffmanの素顔を語って欲しかった。

Janis Joplin with her Porsche 356 Convertible.jpg

 Wrightに店舗や社屋の設計を依頼するほどの建築好きな2人は知り合いだったはず。どうしてMax Hoffmanが出てこないのかと、実は何度も読み返してしまったほどだ。
 また、全体を通して、収集の元手になった、パイプラインのスポット溶接で財を成した家業のH.C. Price Companyの経営者としての苦労があるはずだが、その苦労と高級車や遠洋航海できる大型ヨットとが必ずしも結びついて語られないのも惜しかった。この辺が「工学部出身で絵画にさして興味も覚えてこなかった私」の一面なのか。また、本年とって米寿という高齢、社会性の違いと考えて、諦めて納得するしかないのだろうか。
 ヨットの売主のSterling Hayden(1916-76年)は登場する。Joe Priceは小柄のためか、2m近い長身の役者に殴られるのではないかとビクビクしていたそうだ。だがHaydenは高額のヨットを買うため、赤狩りの証言台に立って評判を落としたくらいだから、内心は大型ヨットをトットと持って去って欲しかったかも知れない。
 昨秋から、フランスとの縁が出てきた。フランス人は、料理、酒、サッカー、自動車に至るまで個々人の嗜好が強い。生活の中で触れるモノへの拘りが多く、だから俺とも話に接点が多い。先日、Bouillabaisseの話になり、Marseilleの某店の名を出したら、3人のフランス人が顔を見合わせ、仰天して声を上げ、目を丸くした――コイツ、知ってんのか。
 高級車とヨットではなく、たかが料理屋の話だ。しかし、我々は急に打ち解けることになった。日々の暮らしをどう愉しむか、どう工夫するか。それが急所を突いた。お互いの距離をグッと縮めることになった。
 そういう経験はアメリカ人との間では一度も無い。良く言えば料理と酒に拘らないのはイギリス人も同様だから、イギリス人との間にも殆ど無い。この辺りの呼吸は、一歩でも間違えると誤解されるから気を付けないといけないが、Vienna生まれのMax Hoffmanとソリが“合わなかった”のかも知れない。


追記
どうも調子がいまひとつだなあ。チャック・ベリーの訃報速報だけでなく、まとめの追悼記事が出始めた。今週末がヤマになるぜ。チャック・ベリーの死はどうやら、俺には効いてる感じだな。ちょっと、何か、でかい穴が空いた。うーん、厳しいもんだぜ。チキショー。
| 10随想 | 07:43 | comments(0) | trackbacks(0)
悩みの尽きないお年頃。
3月20日
悩みの尽きないお年頃。
 日本に帰国するまで1週間となった。ラーメンを5種類×4=20袋くらい持ってきたのだけれど、これで丁度打ち止めになった。ラーメン浪費月間として最近は週末毎にラーメンを喰っていた。
 日本に帰国したらまたラーメンを調達しなければならないわけだ。醤油とか味噌だとか色々あるけれどラーメンのような気軽な食い物は長期戦になると、意外に精神的にボディー・ブローとして効いてくるから舐めてはいけない。
  
20170319マルタイ博多長浜とんこつラーメン (2).JPG

 Gin横丁でチンボツする前に色々と本を読むんだけれど、寝てしまうわけ。弱くなったのは酒というより睡魔に弱くなったという感じだわねえ。
 白洲正子の岡本太郎訪問記が再読すると楽しい。民藝系の濱田庄司に唆されて会うことになるわけだけれど。白洲の目から見た1年年下の男の子、岡本太郎。

      Gin横丁の日々.JPG

 白洲は歳上の男が好きだったんだろう。そういうタイプだ。文に人の好悪丸出し。それがいいね、とても正直で。
 濱田庄司は岡本かの子やかの子の兄辺りとは、同じ川崎の溝の口の生まれだったから、行き来があったのだろう。白洲正子が岡本かの子と会ったらどうだろう。修羅場になったような気もするわね。
 そんなことを考え始めると、悩みは尽きないのよ。ゴメンあそあせのことよ。
 ロンドンで買ったシャンプー1瓶がようやく空になって“我が偉大なる女房”に買ってきて貰ったシャンプーを使うことにした。
 週末にはそのベルリン方面とパリと東京とさらに某都市と諸件やり取りあり。最近は髪がますます短いので目立たないが、白髪が相当に増えてきた。悩みは死ぬ時まで尽きないわけだわねえ。
 そうそう、山口洋子の伝記を書く女傑は出ないのかな。楽しみにしているので、一つ、しっかりとタノムで。 

      Berlin Shampoo.JPG

追記
白洲正子は岡本かの子よりも21歳年下だったので、親子くらいの歳の開きがあったんだわね。晩年は政治のこともボロクソ言ってましたけど、若い時からって、あれは40台の半ばくらいからだけど、その兆候はあったわね。そろそろ俺は昔語りをする頃だと自覚しつつありますワイナリー。先ずは美能幸三のことかな。
| 10随想 | 15:59 | comments(0) | trackbacks(0)
Rockets & Atoms――Mid Centuryのアメリカ。
3月18日
Rockets & Atoms――Mid Centuryのアメリカ。
 Mid Centuryのアメリカといっても、コイツは野球であります。メジャーリーグではなく、マイナーの2部リーグ。この頃のアメリカはまだまだ公民権運動では諸々の差別は撤廃されておりません。今でも撤廃されてないけど。
 こちらはWashington州はTri-CityのAtomsであります。今も街はあるけれど、Atomsは影も形も無いか知らん。日本の場合なら以前は柏崎か相馬かだったわけだな。

      Tri-City Atoms,Washington

 こちらはさらにNew MexicoのRosewellにあったRosewell Rocketsのシャツですら。これらのシャツはSan Franciscoの某所にて買いました。
 アメリカは野球に関してはとんでもないオタクがいて、彼らがものすごいデータベースを持っているのだ。こんなチームのロゴなんか朝飯前で引っ張り出して直ぐにユニフォームも作っちまうからねえ。

      Roswell Rockets, New Mexico

 そういうシャツをプラハの警官が着るとこうなるわけですなあ。プラハの警官はシャツを着るために元の体型からは随分スリムになりましたが、ちょっとお腹から腰の周りに肉が付いて参りました。ロックンロールと合わせてのおケツ振りが不足しているかも知れません。
 今週はElvis PresleyとChuck Berryを聴き続けてきました。Scotty Mooreは大好きだ。Chuck Berryカッコいい。やっぱり、カッコいいのだ。永遠不滅のRock 'n' Rollなのだ。
 
        Plague Police in Rockets T-Shirts.jpg


追記
本日は朝から雨。困ったことにかなり強めだけど、昼前から半日は東西南北市内探索の予定也。昨日は石垣島に在住の身内へな土産調達。亡くなった北海道出身の伯母以降、最北は俺の実家かね。全て関東以西だわなー。母娘が来月には関西方面に行く機会があるので、関東炊きの「たこ梅」にもけつねうろんの「天満」行くかもしれんらしいわいな。羨ましくて身体に毒やん。身体が焼けつくされそうじゃ。「人間関係全てジェラシー」(by 大平正芳)
| 10随想 | 16:40 | comments(0) | trackbacks(0)
今日の1台――Harley Davidson Low Riders(2017)
3月17日
今日の1台――Harley Davidson Low Riders(2017)
 某所で見かけたHarley DavidsonのLow Riderの2台。好き者仲間の2人がつるんで乗って来たものだろう。ロンドンでは、人気のテレビ番組もこのバイクみたいなので旅をするのがあるからな。
 しかしこのHarley Davidsonは、ロンドン北西部、Glen Matlockの生家にほど近いBikerの聖地、Ace Cafeのような場所に行くには勇気が要るだろうね。某国系かアメリカ人か、はたまた、よほどのアメリカ好きか。

Harley Davidson Low Riders (1)

 同じLow Riderでも、ちょっと観れば、Cafe Racer仕様に改造している人は沢山いて、こちらはLAの女性Riderだ。長髪を風になびかせて、スカシてますな。キライじゃないけどね、こういうトッポイお姐さんは。

Harley Davidson Low Rider Cafe Racer with Girl Rider at LA(掲載).jpg

 そうこうしている内に、親子連れらしい古いAston Martin db5が我々の歩く歩道の脇の路上中央に停車。
 (ドゥルドゥルドゥルドゥル)
 獰猛な犬が舌を出してハーハーしているみたいなアイドリング。
 「あら、可愛いじゃない」
 “我が偉大なる女房”が言うが、そりゃ、言うまでもないだろう。1963年の初代Bond Car。まがうこと無き本物。しかし、おっさん、外出から戻って、自分の家のガレージに停めるところだった。

Aston Martin db5 1963 Bond Car

 こういうの、いいんだけど、きっと、この人は自分ではメカをイラわないんだろうなぁ。ちょっとそこは俺なんかみたいなのとは違う趣味だけどな。自分で触らないとカッコ悪い。
 目の玉の飛び出る派手な金遣いの金持ちはアングロ系の米・英・中と中東アフリカに多く、財産を持っていても、静かに地味にしてるのが仏・独・伊やスイス・ベルギー・オランダ・我らがニッポンといった国々。社会性が違う。
 それでも、アメリカさんは人のことは気にしない。しかしイギリスは息詰まる島国だから、やっかみがあるねえ。それが根強い共産主義信奉につながっていく。
 まぁ、指をくわえて皆さんの人生を愉しむ姿を観ているばかりの俺。それもまた、ジンセイヤンけ。観察するのは愉しいし、何時の間にか自分の中に溜まっていて、突然、口をついて言葉になってほとばしる。それが面白い。


追記
周辺は俄かにきなくさい兆候が。コイツは何だろう。返信無し、断りあり。異国で誰かが会っている相手は選挙後が見えているヤツなのか。うーん、直ぐには見え難い話よ。これから何本か方々へ電話だわい。
| 10随想 | 16:23 | comments(0) | trackbacks(0)
Why Charlotte Rampling now?
3月15日
Why Charlotte Rampling now?
 数年前からまたまた復活しているんだけど、ずっと鬱だったそうだ。仲の良かった姉に自殺され、父と共に母には伏せていたこと、ダンナに逃げられたりして、厳しい状況が続いていたようだけど。
 今年の日程を調整中。

 Charlotte Rampling on the Guardian (掲載)
| 10随想 | 17:59 | comments(0) | trackbacks(0)
気になる本――ポピュリズムの取説。
3月15日
気になる本――ポピュリズムの取説。
 「ポピュリズムとは何か」[水島治郎著, 中公新書]
 見出しが目を引く。「『パーティーの泥酔客』と民主主義」とある。
 評者も専門家で、著者は無論、欧州政治史・比較政治の専門家。それでもポピュリズムという言葉は定義そのものがまだ曖昧なのだ。そもそも副題が「民主主義の敵か、改革の希望か」である。右参照⇒http://dokushojin.com/article.html?i=829
 著者の水島さんはオランダの専門家で、過去にオランダの政治状況に関する著書もある。
 「オランダという国は、安楽死にしろ、売春や同性婚にしろ、他国に先駆けて合法化しています。同時に影の部分も先進的で、二〇〇二年に右のポピュリズム政党が政権入りし、反移民政策へと舵を切りました。それがその後、ポピュリズム政党の主張の核となって、他国に波及していくのです」(上記の週刊『読書人』から)

     Tina Turner!

 「本書はあくまで、ポピュリズムを、エリートを批判する『下』からの運動として捉えている点に特色がある」
 「本書における一つのポイントは、ポピュリズムが民主主義と切っても切り離せないという指摘にあるだろう」
 これもまた、わざわざ記されているのだ。世界的なポピュリズム現象は学者も驚かせた。
 「イギリスのEU離脱、反イスラム、反エリート、トランプ大統領誕生……世界を揺さぶる『熱狂』の正体」
 帯にそうあるが「熱狂」を説いたものではなかろう。熱狂の存在を認め、出現した場合に、これをどう取り扱うのか、という点に本書の真価があるように感じられる。

        「ポピュリズムとは何か」表紙。.jpg

 「ポピュリズムはしばしば排外主義へと向かい、少数派の人権を抑圧したり、立憲主義を脅かしたりする。とはいえ、ポピュリズムが人々の不満をすくい上げるものである以上、ただ否定するばかりでは、むしろその説得力を増すことにつながりかねない」
 本書によると、過去に現れたポピュリズム正統とは極右系の政党が殆どであったのだが、
 現代のポピュリズムは、既成政党に緊張感を与えるという点に評価を与えている。その出現によって、停滞した既成政治・政党を緊張状態に置き、活性化させるというプラス面を評価すべきとしている。無論、注意しなければならない点もある。
 「欧州のポピュリズムが、政教分離や男女平等の名の下に反イスラムを正当化している点に警鐘を鳴らしている点が重要であろう」

        「保守主義とは何か」表紙。

 「カリスマ指導者がいなくなっても、しばしば運動は持続する。人々に不満や不安がある限り、ポピュリズムはつねに現れるのである。著者はこれをパーティーに現れる泥酔客に例える。迷惑ではあるが、その言葉にうなずく人も少なくない。この珍客をどう扱うかによって、民主主義の真価が問われるのである」
 「本書が期待するシナリオは、ポピュリズム政党の進出に危機を感じた既成政党が、『開かれた』政党に向けて自己変革へと進むことにある」
 あまり言われないことだが、グローバリズムに乗った人は成功者で、乗り切れなかった人たちがそれに異を唱えている図式が、世界的な潮流の底辺にあるようにも感じられる。
 著者も語っている。
 「一九九〇年代後半以降、グローバリゼーションの波の中で、その仕組みが崩れていく。今ではグローバリゼーションに対応することが、右派も左派も、政治エリートの至上命題になっているのです」
 Trump現象が吹き荒れていた昨年11月のアメリカ合衆国は、ロシアのPutin大統領が、共和党員間の人気投票で第1位に躍り出た(民主党員間では下がっている)。

Drunken Tina at the Party....

 昨年はモルドバとブルガリアで親ロ派大統領が誕生した。2人は共に既存のEU寄りの政治エリートが難民を受け入れ、自国を破滅に導いていると主張して人気を集めた。
 日本に帰国する度に異様に感じるのは、戦史物や歴史書よりも、書店でのビジネス書の見せ方とベストセラーの多さである。徒労とは思いたくないが、こちらで奮励しているのは一体何のためか、と、ともすれば折れそうになる時がある。
 評者が語る。
 「日本では(中略)、橋下徹氏にしても小池百合子氏にしても、ポピュリスト的な存在は、すでに現れています。安倍首相の「日本を、取り戻す」も、ポピュリズム的な言説です。ただし、今のところ、既成エスタブリッシュメントである安倍政権自体がポピュリズムを部分的に取り込み、ある意味で右派ポピュリズムの台頭を抑え込んでいる」(同上)
 近頃、ようやく日本のメディアにも、小粒でも筋の通った正論を言う記事が散見されるようになった。既存メディアも、ネットの速報の氾濫、海外TV・海外媒体の進出で、いわば緊張状態に置かれつつあるからか。本書の著者と評者2人の骨っぽい対談を掲載した週刊「読書人ウエブ」も、書評メディアとしてまことに興味深い。
 TOYOTAは正月広告を全く打たず、今後はネット広告を拡大すると新聞各紙に伝えたそうだ。企業も政党も同じ。柔軟に変わる力が強さの源泉になる。日本も勇気を持って変わるべき時だ。「戦後幻想」はもう乗り越えたい。内輪同士の詰まらない足の引っ張り合いの猶予は残っていない。(『この一冊』東京大学教授・宇野重規評、日本経済新聞)


追記
2人は東大の同級生ではないかな。図らずも同じことについて問題意識を持ち、結局、既存政党が自ら危機意識を持ち変化するシナリオに期待している。そうだな、俺も彼らとスタンスは似ている。しかし既存の枠組みが崩れそうだという危機意識は彼ら以上に強いかも知れない。俺も必死ですら。多分、10年後には書けるかな。複雑怪奇の世界へと踏み込みそうな気配濃霧注意報。
| 10随想 | 08:47 | comments(0) | trackbacks(0)
今日のひと口(7)――Spain Morcilla de Burgos
3月14日
今日のひと口(7)――Spain Morcilla de Burgos
 スペインで買ってきた米入りの血のソーセージ、「Morcilla de Burgos」。コイツは強烈なコクがありまするなあ。
 ともかく、バルでピンチョスを喰っているのが日本人にはお似合いで、レストランなんかに入ると、とてつもない量がドドーンと出てくる。
 旨くとも、量があり過ぎて、残すことになる。半分にしてくれとか、予め頼む必要があるから面倒だ。
 このソーセージも、米が入っていて、こうして輪切りにして焼くから、ブルゴスの寿司という言い方もされる由。元々、血のソーセージは猛烈に気に入って、くどいほど書いて来たけど、常備しておかないと不安になるくらい好きになったわけだった。こちらのブルゴスの米入りも凄いですな。
 日本人とは相通じるものがあるわねえ。

モルシージャ デ ブルゴス

 今、俺の暮らすロンドンはローマ時代からの世界最古の都市のひとつとされているわけなんだけれど、ローマ人が住み、市内には4箇所のスチーム風呂があったっていうわけだよ。しかしそんなローマ人の文化の遺風はどこに残っているってんだろうか。
 大衆浴場があって、八百万の神の存在を認めるなら、もっとずっと生き易い社会になったんじゃないのか知らんと思いますわねえ。
 こんな血のソーセージを喰らって、ワインをガブガブのんで、隣のヤツと肩を組んで高歌放吟するような、ずっとずっと人間らしい暮らしってのがあったんじゃないのかな。どうも、そう感じてしまうほど、俺は○○○○教は気に入らないんだわ。

追記
これから出撃。困ったことに相手が悪いけど、仕方が無いわい。南町奉行としては新米じゃねえ、わいも柔軟に行くことにするわい。
| 10随想 | 16:06 | comments(0) | trackbacks(0)
今日の1台――Range Rover A Series IIA without canvas(1967)、さらに。
3月13日
今日の1台――Range Rover A Series IIA without canvas(1967)、さらに。
 エンジンはどうやら調子は整ったようで、いよいよ外側のお化粧期間に入って参りました。今日は向かって左側のボンネットのサイドカバーを外してあった。
 これまで、オーナーが乗っている場面を1度、その後、夜、路肩に停めたこのスタイルのままで、ヘッド・ランプを付けて作業をする姿、さらに、もっと明るい時間帯に、エンジンルームに頭から突っ込んで作業をする姿と、さらに2度ほど見た。
 オーナーであり、レストアもしているわけだな。家も分かったんだけれど、この辺りは高額の不動産だから、まぁ金融業界で一発当てたか、あるいはカタギでもホントにこの手の古い車が好きなエンスーか。
 面白い趣味だよね。プラモデルを組み立てるのが好きだった少年が長じてこういう車の修理に没頭したりするのは同じラインだという感じもあるね。
 話しかけようかな、どうしようかな――何時も見かけると迷う。

     Range Rover A Series IIA without canvas (1967).JPG


追記
よく聞かれるのは、Clashは好きかどうか、ということ。回答しておきます。


好きに決まっているだろ、アホ!
| 10随想 | 16:34 | comments(0) | trackbacks(0)
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